セシウス さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
上質な物語◆よくある「なろう系ク○アニメ」ではない
原作ラノベは未読です。2期とOVA2話まで見ての感想です。
重度の活字中毒である女子大生が不慮の事故で亡くなった瞬間、異世界の病死直後の女児に乗り移ってしまったお話です。異世界は中世ヨーロッパ風で、紙と本はまだ高級品で庶民には読書の文化がありません。また女児の体は歩くこともままならない虚弱さで、頻繁に原因不明の高熱で倒れてしまいます。主人公はそれでもめげずに「本に囲まれた世界」を目指して奮闘します。
1クール目は新しい(主人公にとって)家族や幼馴染との絆を構築しその助力を得て新しいモノを作って売ることで、商人としての立場を築いていきます。2クール目は本製作を最終目標とした創作活動は続けながらも、神殿に図書室があることを知って神官となる道を歩む話となっています。1・2クール目とも描写は丁寧で、違和感なく楽しむことができました。
登場キャラはそれなりにリアルに描写されています。また声優さんたちは皆上手です。主人公は見かけ子供の大人キャラですが、本体の女子大生はひたすら本にしか興味のない子供っぽい性格なので、見かけと動きがよくなじんでいます。ただ井口さんの声はモノローグの時は大人声で演じた方が良いのでは、と思いました。
作画は悲惨です。キャラは口元の描き方が特徴的で表情の動きが細かくわかるようになっています。ただ背景やオブジェクトは雑で、予算とスタッフの乏しさを強く感じました。
危険なモンスターとのバトルシーンがまるで日常系のような描写で、あまりの迫力のなさに逆にびっくりします。
音楽は良かったです。OP/ED/BGM全て良質で、作品の持つ上品な雰囲気を高めていたと思います。
読書家の女性が主人公というのもあると思いますが、異世界系においてもどこか品の良さとインテリジェンスを感じる作品です。続編が制作決定しているようなので続きが楽しみです。