「白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.9
感想・評価
445
棚に入れた
1360
ランキング
760
★★★★☆ 3.6 (445)
物語
3.4
作画
4.0
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

色々と勿体無い

 監督に言わせるとP.A.WORKSお得意の「お仕事シリーズ」ではないそうだが、仕事を通じて
少女の成長を描いたり、特定の業界や地域にスポットライトを当てるなど、色合いはそれっぽい
感じ。
 ただ描きたかったであろうと思われるものが、うまく表現されていないまま終わってしまった
感じが強い。

 構成的には前半が「がまがま水族館」、後半は「アクアリウム・ティンガーラ」と2つの
水族館を舞台としているが、前半は主人公の一人である海咲野 くくるのやることが
空回りしている感が強い。
 中盤に「がまがま水族館」が閉鎖されることを考えると、くくるのやることがうまく
いかない方が納得のいく流れになるし、メタ的にも前半でくくるの至らなさや甘さを描くことで、
後半での成長ぶりが分かりやすくなる効果があるのは分かる。
 ただ後半になっても直面する事象に対するくくるの行動や思考は首をかしげるようなものが
幾つかあり、くくるの成長がうまく描けていない感があった。

 脇キャラも中途半端な印象なものが多く、ストーリーに動かされている感の強いキャラ、
特定のイベント後は扱いに困っているようなキャラ、登場させたはいいがストーリー上
必要ないようなキャラなどが目に付いた。

 過去の「お仕事シリーズ」同様に主人公を含めた4,5人ぐらいの女性を主要キャラに
しているが、これまでの作品が主人公はともかく残りはそれぞれに焦点を当てることが
あったのに対して、本作はくくると宮沢 風花の主人公コンビに重きを置いており、結果として
照屋 月美、久高 夏凛は今ひとつパッとしないまま終わってしまった感じ。

 後半にくくるとぶつかることの多い副館長の諏訪 哲司もくくるを成長させる導き手としても、
くくるの障害となる一種の悪役としても中途半端な印象。
 南風原 知夢も同じ印象で、対立軸としても、和解後の分かりあう関係としてもやはり
中途半端な感があった。
 どうせ対立するなら終盤まで考え方の違いをぶつける相手として存在してもよかったし、
逆に和解させるなら、二人で協力して何かをするぐらいしてもよかったんじゃないかと。
 くくるに対して思うところのあった仲村 櫂も、特にくくるとの恋愛模様は描かれることなく
終わってしまった。

 メインモチーフである水族館ももう少し業界ものとして、その内情を見たかった感があるし、
それ自体もストーリーにうまく活かされていたとは言い難い感じ。
 「活かされて」と言えば、「がまがま水族館」で起きた不思議現象やそれに伴うくくるの双子の姉の話、終盤の迷い込んだイルカなどももっと扱いようがあったはず。

 なまじ作画が良く、キャラの基本設定はそう悪いものではないだけに余計に勿体なさが募る。

2022/01/20
2024/02/18 加筆・修正

投稿 : 2024/02/18
閲覧 : 364
サンキュー:

10

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