ネムりん さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
魅せる作画が印象的な作品
人気のCloverWorks作品。
物語だけを切り離して評価すると2.5点くらいだけど、女の子の内面の可愛さだったり、角度を変えた見た目の美しさを魅せるための演出が所々なされていて、作品としては試みが的を得ていて振り返るとシンプルな作りの内容がとても良かったと思います。
前半は学園生活の日常部分をリアリティを追求した形で、無駄なものを敢えて入れない作りが評価分かれそうなところでしたが、6話の釣り回では田舎の学校暮らしで女の子と自然が触れ合うシーンが画になり情緒溢れる美しさが感じられ、7話のアコースティックギターの弾き語り回では蛇森さんが頑張って演奏していた姿と、小路ちゃんの心から感動を伝えたい気持ちがとても印象に残り、8話の水泳回では家族との思い出が詰まったセーラー服を奪われたくない小路ちゃんの一生懸命頑張ってる姿が感動出来て、素直に良い作品だなと思いました。
この部分だけを見ると加点要素が強く、もっと上の点数を付けられたのですが、タイトルが『小路ちゃんのセーラー服』ではなく『明日ちゃんのセーラー服』なので、明日家のセーラー服にまつわる話がもっと出てくることを期待していたのだが、1話でそれらしきお話が出てきて直ぐに完結してしまい、水泳の回と夏服を作る話で少し触れられた程度であまりタイトル回収した話の内容ではなかったので、物語に関しては大幅に加点するのは避けました。
文化祭での友達との友情を深めるシーンも終わり方としては良かったのですが、やはりお母さんと妹ちゃん、それからお父さんとのセーラー服に関わるエピソードが更にあれば作品にもっと深みを持たせられたと思います。
作画については、釣り回の美しい自然背景と釣りをするシーンが見事に調和した形で魅せる作品の良さが出ていたし、最終話でピアノ演奏がCGを使っていたのに対し、弾き語り回ではギターとピアノが手書きで描かれていて、温かみのある雰囲気がお題に沿った形で使い分けがされていたので、細かな気配りが感じられました。
動植物だったり時折見せる女の子がリアルにアップされるシーンなどは他の作品には類を見ない演出で、最終話を除く球技回とまれに人物のバランスが崩れる弱さが感じられる部分はありましたが、全体的に高い評価が出来ました。
作品としてはコンセプトがはっきりしていたのでとても観やすく、女性スタッフ陣ならではの丁寧な作り込みが感じられ、新たなジャンルを開拓し及第点を超える相応に親しみが持てるものでした。