たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
漫画版は「漫画の神様が描く、生命の本質」
手塚治虫の「ブッダ」は、おそらく「火の鳥」や「ブラックジャック」に次ぐ、「大人向け手塚」の傑作であり、「アトム」や「リボンの騎士」のような「白手塚」でもなければ、「奇子」やエロス短編などの「黒手塚」でもない。。
よくもまあこんなバランスの良い大河漫画を描いたもんだと唸ってしまう傑作である。さすがは本人が「神様」と呼ばれるだけある。
しかし、いかんせんアニメ映画の方は「某宗教組織」の布教用宣伝映画のごとくなにかしらのプロパガンダ的な側面が強く、面白いかと聞かれたら真っ先に「つまらない」と言える。
手塚治虫の「ブッダ」は生命の貴さ儚さを説いているが、「火の鳥」同様、様々な価値観の王族や奴隷、そして最下層の非人といった「階級差別」を通して、同じ人間なのにこうも差別され争い会うのかといった
戦争を経験した人間が語る「不条理」を描いているが、
アニメにはそこそこ描かれているが、そういった「諦観」が薄いので、ただただ感動させようと思っているだけで、いかにも日本人好みの「お涙頂戴」ものという側面が強い。
そうではなくて手塚が語りたい人間の「不条理」こそ、作品の価値を高めているんだと思います。