ひろたん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
なんでも上手(うわて)の高木さん
ヒロインの高木さんは、なんでも上手(うわて)です。
それは、第1話のエピソードからもすぐにわかります。
主人公があの手この手で高木さんを驚かせようとします。
しかし、高木さんは、いつも先手を取ります。
高木さんは、何もかもお見通しです。
そのうえで主人公を泳がせて、一番面白いところで一本を取るのです。
この話が面白いのは、主人公が高木さんを好きなわけではないところです。
実は好きなのかもしれませんが、本人は、まだその気持ちに気づいていません。
それよりも、高木さんの方がとにかく主人公のことを大好きなのです。
しかし、付き合っているわけではないと言う微妙な間柄を楽しむ作品です。
そんな乙女の気持ちをつゆ知らず、男子ってつくづく鈍い生き物だよね。
だったら、からかっちゃえってなるのがこの物語の展開です。
からかう中で主人公が隙を見せた時、高木さんは自分の本音をちょっと入れます。
そして、主人公の反応を見て楽しむという構図です。
女子が好きな男子にちょっかいを出すのは、微笑ましいし、特権だと思います。
好きな男子の気持ちを探ってみる。
でも、自分の気持ちは、気づかれたくないけど、でも気づいてほしい。
乙女心が可愛いですね。
また、この関係は、上手くいく男女の典型的なパターンのような気がします。
つまり、「なにもかもお見通し」的な、そして、「手のひらで転がしている」的な。
女子にとって一番安心できるパターンなのではないでしょうか?
高木さんも、主人公の反応を楽しみたい、実は、それだけではないでしょう。
実際は、安心感を得たい、そんな乙女心が隠れているのではないかと思います。
高木さんは、顔を赤くして照れている主人公をいつも嬉しそうに見ていますから。
ところで、一見、攻撃は最大の防御を徹底している百戦錬磨の高木さん。
では、すごく強いかと言うとそうでもなさそうなんです。
主人公のちょっとした一言、ささいな手紙で、もうデレデレです。
その紙装甲っぷりが、可愛すぎるところが見逃せません。
しかも、その姿を主人公に絶対に見せないところが、この作品のミソなのです。
主人公が知らない、高木さんのそんな一面を視聴者だけが知っている。
そんな優越感がこの物語になぜか引き付けられてしまう理由なのだと思います。
高木さんに惹かれる理由は、なんといっても高橋李依さんの声です。
高橋さんの演じるキャラは、他のキャラには無い独特の雰囲気をまとっています。
そのキャラのまわりだけ時間の流れが違うんじゃないか?
そのキャラがしゃべっている時は、そこだけ癒し空間ができているんじゃないか?
なぜか、そんなことを感じるのです。
「Re:ゼロ」のエミリアでも同様のことを感じました。
この物語には、思いつく限りの妄想が入っているのがすごいですね。
一緒に勉強、自転車二人乗り、ジュースのシェア・・・、微笑ましいです。
体操着の交換着用、一緒に水着選び、わき腹つんつん・・・、羨ましいです。
ただ、そんなものをいつまでも見せられていていいのかと思わなくもありません。
しかし、そこは高木さんが持っている不思議な魅力でついつい次を観てしまいます。
高木さんの次の一手を見てみたい。
高木さん(高橋李依さん)の次の一声を聞きたい。
高木さんのなかなか見られないキュンキュンを今度こそは見てみたい。
ただ、それだけの理由で視聴を継続してしまいます。
作品については、二人の見せ方がとてもいいと思いました。
特にカメラワークや構図が上手いです。
二人の間合いや気持ちの変化の様子がすごく分かりやすかったです。
高橋李依さんが歌うエンディング曲が2話ごとに変わる工夫もいいですね。
最終話のエンディング曲は、特によかったです。
最後のシーンにあの曲が重なったとき、高木さんはキュンキュンしていましたね。
私は、意外と楽しめた作品でした。