シャベール大佐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
美術大学の受験を題材にした、アート系スポ根物語
美術大学の受験を題材にした、高校生の青春群像劇。全12話。
公式のストーリー紹介に「アート系スポ根物語」という言葉がありましたが、作風はまさにそんな感じ。物語は、なんでも要領よくこなせるけれど、夢中になれるものを持っていなかった主人公・矢口八虎が、ある日、美術室で出会った1枚の絵に心を奪われたことをきっかけに美術の魅力にハマり、最難関の美大である東京藝術大学の現役合格を目指して絵の勉強に励んでいく、みたいな流れです。
とりあえず、感想を結論から言うと、とても面白かったです。いちばん良かった点は、八虎やその仲間たちが、本当に身も心もすり減らすようにして受験に挑んでいく姿が、迫力をもって描けていたところ。絵画の技法、上達のための課題、受験のテクニック、本番の試験の形式など、ディテールが非常にしっかりしているので、作品全体に説得力があり、内容への信頼感のようなものが生まれていました。登場人物たちの内面の葛藤を描く人間ドラマ的な部分も悪くないですし、これまで知らなかった世界を知ることができるという意味でも興味深かったです。藝大の受験というのは、これほどまでにハードなものなのかと、ちょっと驚いてしまいました。
作画は、特に問題なし。声は、八虎の同級生の鮎川役の花守ゆみりが印象に残りました。キャラは、高校の美術部の佐伯先生と予備校の大葉先生が、どちらも良い先生だったと思います。
最後まで観終わって、個人的には2021年の秋アニメのなかでも、特に楽しめた作品のひとつでした。原作がこの先どうなっているのか知りませんが、是非この続きもアニメで観たいですね。