ひろたん さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「クラスメイトじゃなく、友達になりたい」そんな想いでいっぱいのセツナとは、今日から「明日(あした)」にかけての、今、この時
女の子しかいない学級ものなのに、派閥も悪者もいじめも出てこないなんて・・・。
これは、きっとファンタジー。
最初は、そう思っていました。
でも、事情がちょっと違うようです。
主人公「明日(あけび)」は、廃校寸前の小学校で6年間一人学級でした。
友達はおろかクラスメイトさえいませんでした。
そんな明日にとって、悪者やいじめは、気にする以前の問題として頭にありません。
「一年生になったら友達100人できるかな」と言う純粋な気持ちのままです。
その「一年生」が、小学一年生ではなく、中学一年生だったと言うだけです。
そんな明日にとっては、これはファンタジーなんかではありません。
これから実現したい想いでした。
この物語は、それが実現した世界なのだと思えば、なぜだか納得できてしまいます。
■「クラスメイトじゃなく、友達になりたい」
{netabare}
これは、OP曲「はじまりのセツナ」の歌詞でもあり、明日の想いです。
この気持ちは、とても大きいです。
なぜなら、「友達になりたい」と思った瞬間、行動が変わるからです。
クラスメイトなら、なった時点で終わりで、無理に関わりを持たなくてもよいです。
しかし、「友達になりたい」と思ったら積極的になれるし、ならないとできません。
「友達になりたい」は、実は、だれでも内心そう思っています。
でも、なかなか積極的になれない人は多いはず。
しかし、何の下心もなく純粋に自分と関わってくれる人が出てきたらどうでしょうか?
それは、とても嬉しいことですよね。
明日は、そうやって友達を増やしていきます。
でも、一番うれしかったのは、誰よりも明日本人でした。
小学校の6年間、ずっと一人だった明日。
物語後半でその想いが分かり、この歌詞と重なったとき、泣けるものがありました。
{/netabare}
■セツナ
{netabare}
「セツナ」とは、「きわめて短い時間。瞬間。」と言う意味です。
この曲のタイトルは、そこから「青春」を連想させるものとなっています。
しかし、「セツナ」には、別の意味もあります。
それは、「過去や将来のことを考えないで、ただ現在の瞬間を充実させたい。」です。
明日にとって、友達をつくることって、こう言うことなんじゃないかと思いました。
明日は、将来を計算して友達を作っているわけではありません。
明日は、「今、そうしたいから」、友達を作っているだけです。
この「今、そうしたいから」が、とても青春らしいと思うのです。
だから「セツナ」なのです。
「明日(あけび)」と言う名前もそれをよく表していると思います。
それは、「未来」とか、ずっと先を意味する名前ではないからです。
友達をつくって、今、この瞬間を充実させる。
それは、今日から「明日(あした)」にかけてのことだからです。
だから、明日(あけび)は、第2話で大きな声で言います。
「みんな、また明日(あした)!」と。
友達と言う関係をとても象徴する言葉だと思いました。
{/netabare}
■カリスマ
{netabare}
友達になりたいと思うそんな明日の気持ちがまわりをどんどん巻き込んでいきます。
そして、まわり同士も繋がっていきます。
「カリスマ」と言う言葉は、よく聞く言葉ですし、意味も知っています。
カリスマは、当然、本人に魅力がなければダメなことも分かっています。
しかし、一人の人物がどのようにカリスマになっていくのかは、なかなか曖昧です。
私は、この作品を観ていて、なるほどと思いました。
本人も「カリスマ」になろうなんて思っていなのです。
そして、まわりのみんなもそんな目で見てもいないのです。
つまり、まわりが同調や結託で一人を持ち上げようなんてしていないのです。
あくまでも一人対一人の関係なんです。
このクラスには、モブキャラは一人としていません。
みんな個性がある個人なんです。
その個人個人、つまり、一人一人が、明日に関わろうとします。
逆に明日が関わっている一人一人は、みんななのです。
つまり、そのことが、結果として、みんなの視線が明日に注がれることになります。
カリスマは、地位や名誉、権力ではありません。
ましてやお金で買えるものではありません。
一人対一人の関わりたい気持ちが一人に集まり、結果的にそれが一人対みんなとなる。
それが、「カリスマ」なのかもしれない、そう思ったのでした。
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■私は、「鷲尾 瞳」推し!
{netabare}
私がとても気に入ったキャラは、長身でバレー部の「鷲尾 瞳」です。
OPのあの不機嫌そうな顔が最初から気になっていました。
しかし、ずっと出番がなく、ミステリアスなままでしたので余計に気になりました。
最後にやっと出番がありましたが、思った通りイイ感じのキャラでした。
美人なのに、なぜか「カッコイイ」という言葉が似合います。
そして、近寄りがたい雰囲気を醸し出しつつ、実際は、少し違っていました。
そのギャップがいいですよね。
{/netabare}
■まとめ
最初の印象とは違い意外と面白かったと言うのが素直な感想です。
最初は、キャラデザも微妙だし、フェチだし、なにこれって思っていました。
しかし、話が進んでいくと、かなりまじめな青春ものって感じでした。
青春ものって、その目的が部活で何かを目指すとか、恋愛とかはよくあります。
しかし、この物語は、それ以前に、ただただ友達をつくりたいだったのです。
そんなの当たり前のことすぎて忘れてしまいがちですが、一番大事なことです。
それを友達がいなかった明日を主人公に据えたことにより気付かされました。
また、OP曲「はじまりのセツナ」も青春ど真ん中っぽい感じがしてよかったです。
この曲と物語が本当に良くあっているなと感じました。
確かにフェチ要素は、評価が分かれるところかと思います。
でも、派閥も悪者もいじめも出てこないなんて・・・。
こんなにも安心して観られるものかとちょっと驚きでした。
そして、なによりも真面目に丁寧に作られた作品だったと言うのがよかったです。
※以下、1話視聴時の感想
{netabare}
日付 :2022/01/12
タイトル:原作の顔は結構いいのに、アニメ化のキャラデザが微妙・・・。
独特なキャラデザがちょっと慣れないなぁと言うのが第一印象。
原作もこうなのかなと気になり、ちょっと立ち読み。
原作の顔、結構いいじゃん。
内容はさて置き、原作のキャラデザ自体は小学生向けでも行ける感じ。
一方、アニメのキャラデザは原作の特徴を押さえているようにも見えるけど・・・。
やはり、何かが違う気が・・・。
恐らく原作の顔はとても絶妙なバランスで成り立っているんでしょうね。
でもそれを動かすとなると・・・、ああなってしまうのか・・・、ちょっと残念。
{/netabare}