hiyama さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
面白い。ただキャラクターの描き方に違和感
蝶形骨の話を最初の方に出して置いて、そこからマストとなる展開に絡めていくなど作り方は丁寧だし、ストーリーは十分に楽しめる内容。
骨や死体に関する知識を上手く物語に落とし込んで組み立てていて、謎が解決されるパートも不自然さを感じさせない。
当時の物語の方向性故か、それとも単に作者が描きたかった物なのかわからないが、この内容なら変に大きな犯罪に繋げていく必要性は薄いように思えるがそこは好みの問題で済ませられる。
ただ…全体的にキャラクターの描き方が気になる部分が多かった。
主人公の振舞いに変なあざとさを感じたり(特に一話目の海岸のシーンなど)、櫻子の態度に多面性という言葉では表せないブレがあるように思えた。
他人への配慮が欠落したキャラクターのように振る舞っているのに、一方で機微に聡い様子も見せる。
普段の振舞がある種の演技というかペルソナ的な物であるなら納得できるが、素でやっているならちょっとキャラクターに一貫性が欠けている気がした。
2人以外のキャラクターについても違和感を覚える部分は少なからずある。
また警察(鑑識)が無能に描かれ過ぎているのもちょっと残念。
物語的と言えばそうだし、現実に警察が必ずしも有能というわけではないにしろ、流石に気付いて然るべき点まで櫻子に指摘されるまで気付けないというのは多少行き過ぎているきらいがあった。
とはいえ…面白いのは間違いない。
個人的に違和感を感じる部分があったのは確かだが、それはそれで作品としての個性や持ち味とも言える。
作画も全体を通して良かったし、総じて良く出来た作品だった。
マストとなる話に解決が見えないまま終わったのは惜しいが、それぞれのエピソード自体はキチンと畳んでいるし、綺麗に終わらせるには最終話をああいった形にするのもうなずける。