エイ8 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
誠実なSF作品、SF部分に関しては。
BEATLESS(ビートレス)は、長谷敏司のSF小説。2018年1月より6月まで『BEATLESS』が毎日放送ほか『アニメイズム』B1枠、同年9月より『BEATLESS Final Stage』が放映された(wikipedia)
平均満足度をあげるため作画や音楽をやや高めに評価しました。
個人的にSF作品というのには偏見をもっていて(特に)物理学に偏重するあまり他のことをおざなりにする傾向があるなと感じていた。(例・タイムマシンの構造にはものすごい凝るが、中に乗る人間の生命健康に関しては摩擦度なみに無いものとする、みたいな)
本作品は登場するロボットだけでなく、AIと社会とのかかわり方をかなり綿密に考察された上で作りこまれている。それが逆に独特なテンポを生み出してしまいそれも評価が伸び悩む一因となっているかもしれない。が、それ自体はしょうがない事だと思う。これがバカ売れするような作品でないことは製作者サイドも承知の上なんじゃないか。でもよくこれを2クールものとして実現できたなあ。
全体的にはかなり硬派なSF作品なのだが、一方で日常パートは相当テンプレ的なラノベラブコメなノリ。特に妹が酷い。これで当初は見る気をなくしかけた。こういうドンシャリが好きな人は好きなんだろうけど、個人的にはちょっと合わない。(*ドンシャリとは、低音と高音ばかりやたらに強調され、中音が充実していない音を指す俗語である。低音がドンドン響き高音がシャリシャリ聞こえることに由来する。wikipediaより。ようするに硬派と超軟派が共存してると言いたいのですが、この作品においてはあんまり上手くいってるようには思えなかった。)
作品の表向きのウリとしては「都合の良い美少女ロボットがボクのもとに!」みたいな感じになるんだろうか。可愛くて強くて生活の面倒まで見てくれるというオトコの夢が詰まった存在。まさに王道ラブコメ。企画が通ったのはその辺だけ見せて押し通したからだったりして。ただ内容自体は結構ハードなので、序盤の妹も含め、単純に美少女とイチャイチャするものを期待すれば裏切られる。というか身も蓋も無いことを言えば結局イチャイチャするんだけど、周辺事情や設定をとにかく絡ませた上で物語が進んでいくのでそんな余計なことする暇があるならさっさとイチャつくか話を進めろって感じになる人も多いかもしれない。逆に重厚な世界観に呑み込まれる人は高評価になると思う。
ただお世辞にも構成は上手く行ってるとは言えない。元が小説なのでこれも仕方ないといえば仕方ないことなのだろうけど。それと最後のオチはあまりにも予定調和過ぎてもう少しなんとかならんかったのかと思わなくもない。が、良作であることに変わりはない。