エイ8 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
才能がレベチ
『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(ゴジラ シンギュラポイント、英語: Godzilla Singular Point)は、ボンズおよびオレンジの共同制作による日本のテレビアニメ作品。2021年4月から同年6月までTOKYO MXほかにて放送された(wikipedia)
この作品を視聴しようと思った理由は単純にゴジラものだったからだが、結果から言えば大当たり。いやまあすごかったっす。
序盤はミステリー風味?で話が進み、おじさんなつかしのジェットジャガーでノスタルジーを誘い、主役格の神野と有川の密度の濃い台詞の羅列はシン・ゴジラを踏襲している?あれ売れたからねしょーがないよねとか思いつつ視聴を続けていたら、え?なにこれ、ちょっとすごいんだけど。
思わず誰が作ったのか確認。そこで出てきた名前が構成、脚本を担った円城塔。輝かしい経歴を誇る芥川賞作家。はえ~、最近の芥川賞作家様はアニメ制作もお手の物ですか、はあ~ため息しかでませんわ。ってよく見たら「スペース☆ダンディ」にも一部かかわっていたのか。あれスルーしちゃったんだよな、今度再放送でもあれば録っておこう。
この作品で言われがちな感想が「難しい」。難解そうに見えるのは単純に難解だからなのだから本気で理解する必要はないと思います(事後的に考察するなら別)。SFファン以外はファンタジーものの独自設定みたいなものと思って見ればそれでOKかと。正直シン・ゴジラだってオタク達が何やらそれっぽいこと早口で言ってんな~って感じで流し見なかったですか?
特筆すべきところはコミュニケーション支援AI「ナラタケ」のペロ2やユングが絶妙に作品を緩和しているところ。あれらがいなければゴツゴツしすぎてちょっと見れたものではなくなるかもしれないというぐらい。個人的には声優さんはよほど素人くさくない限りあまり気にしないのだけど、当作品においては久野、釘宮両名の声がとても心地いい清涼剤として作品をやさしく包んでいた。
ややご都合主義的なところがあったり、あれがラドンってのはいくらなんでも無いんじゃない?とか思わないわけではなかったけれど、全体的には破格のクオリティだと思います。日本アニメとしては他が思い当たらないくらいのハードSF作品。え?こんなのハードSFだなんて言わないって?そうは仰いますが小説ならともかくアニメでこのレベルのScienceFiction作品って何があります?攻殻機動隊的なサイバネティクスもの以外はとりあえず「シュバルツシルト半径」言っときゃ良いんだろ的なSpaceFantasyしか無くないですか?(いや、それが悪いと言うわけではないんですけど。)
最近では「BEATLESS」がかなり良質なScienceFictionものだと思ったけど、エンタメに落とし込んだという意味ではこちらに軍配があがるかな、と。