二足歩行したくない さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
そんで~そーんでーしかたーないのでー、やれやれ~
P.A.WORKS制作のお仕事アニメ"SHROBAKO"劇場版。
放映版の直接の続編になっていて、放映版同様、アニメ制作会社『武蔵野アニメーション』を中心にした、アニメ制作に携わるいろんな人の情熱が込められた一本になっています。
なお、放映版では1クールもののアニメを血反吐を吐きながらカットオーバーさせていましたが、本作では劇場版アニメだからということなのか、劇場版アニメを作成する内容となっており、劇場版アニメで劇場版アニメを作って劇場版アニメ内で劇場版アニメを公開する劇場版アニメです。
劇場版アニメがゲシュタルト崩壊しそうな劇場版アニメですが、劇場版アニメ内の劇場版アニメも本劇場版アニメも出来がよく、劇場版アニメ劇内の劇場版アニメの方も全編が見たくなりました。
劇場版"SHIROBAKO"もこうやっていろんな人の力が集まって作られたと思うと、感動も一入ですね。
TVシリーズ版で『第三少女飛行隊』を成功させ、その後も数作元請け作品を発表し、波に乗っていた『武蔵野アニメーション(ムサニ)』だったが、ある日、製作途中のオリジナルSF作品『タイム・ヒポポタマス』が、契約問題により急遽制作打ち切りになってしまう。
社長は責任を取って辞任、一緒に仕事をしていたメンバーは散り散りになり、ムサニはしょぼくれた下請けアニメ会社に逆戻りしてしまったという状況から、ストーリーが開始になります。
"ドーナッツの誓い"を結んだ同好会のメンバーもそれぞれ想いを抱えた状態で鬱々と過ごす日々。
そんな中、「宮森あおい」は、ムサニの2代目社長となった渡辺から、オリジナル劇場用アニメの企画を聞かされるという展開です。
単純なチャンスと思いきや、そこは"SHIROBAKO"、10ヶ月後に劇場公開というタイトなスケジュールの中、タイトル以外は何も決まっていない、先行して発表がされてしまっているのでタイトルを変えることもできない。
かつての有能なメンバーもいないという中、あちこちでそれぞれ活躍しているメンバーをかき集め、企画、シナリオからキャラクターデザイン、コンテ作成、作画、撮影・編集、音響、CG制作、声優オーディションなどなど、アニメに携わるすべての人々が頭かきむしりながら勤労する労働アニメになっています。
ホワイトカラーがメインの作品ですが、放映版同様、展開はコミカルでキャラはかわいいです。
本作を視聴して「社会って恐ろしい、就職やめよう」と思わせるような内容にはなっておらず、アニメ業界に興味を持つきっかけになるような、ステキなお仕事アニメと思いました。
登場キャラクターは多業界に渡っていて大勢いますが、ほぼ放映版からの引き継ぎです。
放映版を観ていないとキャラが多すぎて頭がついていかないと思うので、前提として放映版の視聴は必須と思います。
また、登場する女の子はみんな若くてかわいらしく、仕事に夢に一直線です。
ただ、実際は業務後のアニメイトと土日の婚活でオフが忙しいと思うのですが、そういうプライベートが描かれないのは少し残念でした。
宮森自身、アニメ観る隙がないように思えるのは、ある意味ではリアルかもしれないですが、身につまされますね。
私も仕事とかどうでもいいのでマックでチーズバーカー単品で3個ほど買って、ゴロゴロだらだらアニメを観たい今日この頃です。