エイ8 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ユーモアと歌は絶品
『Angel Beats!』(エンジェル ビーツ)は、P.A.WORKS制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品。全13話+特別編2話。略称は「AB!」、「AB」など。 キャッチコピーは「――神への復讐。その最前線」。(wikipediaより)
{netabare}おそらくだがこの作品は主人公とヒロインの関係性とおおまかな舞台設定だけを先に決めて作り始めたものなんじゃないか。その中で適当に散りばめた個性的キャラが動くままに任せようとしたのではないか、という印象を受けた。そうでなければ2クールを予定していたのだろう。(ゲーム化自体はどうやら後の模様。しかも頓挫した?)
更に言えば、ユイにはもともと特殊な設定が込められていた痕跡が見受けられる。まず彼女のコスチュームはまるで悪魔のようであり、天使との対比を伺わせる。またいくらか彼女だけ特別な描写が二三差し込まれていたことように記憶している。
結局それらは最後まで回収されることなく終わったが、ユイverの歌も多数用意されていたことから初めはもっと重要な役回りがあったんじゃないか。リーダーの仲村「ゆり」と名前が似ていることにも意味があったのかもしれない。
最終回に音無とかなでの関係性が発覚した時にはさすがにハッとさせられたが、それだけだ。というか、このラストではむしろ音無にとっては悔いを残す結果となりあまり良いものとはいえない。成仏する理由があるとすれば、「もうかなでのいないこの世界に残ってもしかたがない」というネガティブなもので、他のキャラとは一線を画してしまっている。
というよりも、いくらなんでも音無の動機が実質不純すぎる。他のメンバーを成仏させたといえば聞こえはいいが、ようは体よく二人だけの世界にするために邪魔者を消していったに過ぎない。
さらに作品の尺の関係上だろう、他のキャラは知らない間に消えていた。ガルデモのモブメンバーの方がまだイベントがあったほどだ。最終回に二人のラブロマンスをやりたいがためのあおりを受けた形となっている。
ゆりのかなでに対する認識も天使と言ったり人間と言ったり散漫であり、最初の「わたしは天使じゃないわ」を言わせたいために天使扱いしてたとしか思えない。
全体を通じてとっちらかった印象が強いが「平成22年度(第14回)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門/長編(劇場公開、テレビアニメ、OVA)の審査委員会推薦作品」には選ばれているらしい。個人的にはユーモアセンスと歌は高く評価できるがストーリーとしてはあまり評価していない。ただ、見たら損かと言われればそんなことはなく、あまり深く考えずに見さえすればかなり上質な娯楽作品となっていることは事実だ。 {/netabare}