ナルユキ さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

さあ、みんな一緒に！　＼スケベが大好き～／

《人間・エルフ・妖精・獣人・魔族に妖怪・天使に悪魔。あらゆる種族が混在する世界。そして…あらゆる種族がいるということは、あらゆる種族のエロいお店も当然存在するのである！》(アニメ『異種族レビュアーズ』冒頭より)
こんな発想ができるのは天才ではなく変態だな(笑)
ただエロいだけでなく各風俗店に対するキャラクターの感性や、そこに足しげく通う情熱、もとい品の無さがきちんとギャグになっていて笑える。

【ココがエロい：放送コードギリギリアウト！　異世界の風俗店を廻るセクシャルコメディ】
元々はWeb限定でひっそりと連載している「異世界風俗」を題材としたマンガ作品。何をどう間違ったのか地上波で３０分１クールのアニメ化が決まってしまったのだから世間は割りと大騒ぎ。全国のフェミニストが怒り狂って放送局にクレームを送り、それに屈したのか本作は続々と放映中止に追い込まれてしまった。
まあ是非はともかく本作はそのくらい攻めた「エロ」を描写しており、無修正ver.であれば女性キャラの乳輪や陰部、男性キャラの陰茎まで拝めてしまう凄い作品だ。地上波放映ver.には当然それらに「隠し」が入れられるものの、風俗店の性的サービス────所謂「本番行為」も気合を入れて描いているので、殆ど意味を為していない(笑)
様々なモンスター娘が喘ぎ、乳や尻が揺れる下劣なセクシーシーンが男性視聴者にとってはたまらない。

【ココが面白い：各登場人物の価値観の交錯】
ところで皆さん、もし５０歳のおばさん風俗嬢と、見た目は２０代のピチピチギャルな５００歳エルフがいたとしたらどちらを抱きたいだろうか？
私ならエルフ。実年齢なんて気にするところではなく、「若い」と思い込んで良い想い出を作りたいところだ。本作の主人公である人間の冒険者・スタンクも同じ感性を持っている。皆さんも同じ意見ではないだろうか。
しかしエルフ族であるゼルからすれば５００歳の同族はお婆さんであり、マナ(魔力)が腐っているので抱けないと言う。彼は逆に５０の人間おばさんを「若くてプレイが上手くて生命力が豊潤」と評して抵抗なくお尻の鷲掴みからのフレンチキス、人間である我々からすれば顔がひきつるような光景を見せつけてくる。
納得できないスタンクは他の種族の仲間にどちらが良いか訊いてみるのだが、犬獣人のブルーズは「５００歳エルフは加齢臭がキツい」として５０歳おばさん、ハーフリングという小人種族であるカンチャルは「どっちもババアなら若い人がマシじゃない？」と５０歳おばさんを選ぶ。我々の一般的な感性が異世界ファンタジーでまさかの大敗を喫する様を冒頭から見せられるのである。
本作はこんな感じで様々な種族が自身の「性嗜好」を語り合う。そして家系を辿れば全ての種族がサキュバスの血を引くという設定の下、ファンタジー世界で様々な種族が独自の風俗店を営業しており、スタンクたち『異種族レビュアーズ』はそれらを「クロスレビュー」形式で吟味していく。
彼らのレビューは非常に丁寧かつ真面目であり、そのしっかりとしたレビューが振り返る性行為との対比も相まって面白い。お店の説明、種族の特徴、各々の感想と点数……複数人が主観的にも客観的にも正直に評価することで多角的に説得力のあるレビューになっており、人間の立場だけでなく各種族の立場になって考えると「なるほど」と頷くものばかりである。
まあ、よくよく考えたら何の参考にもならないんだけど(笑)

【でもココがひどい？：お店によって当たり外れが……】
基本的に１５分１エピソード形式でレビュアーズが様々な風俗店を廻るお話となる。彼らは１クールの内に様々なモン娘と特殊なシチュエーションでまぐわっていくのだが、やはり我々は人間。スタンクが「うげっ」と思う店は視聴者も気持ち悪く感じるわけで、しかしそれすらもギャグとして全力を尽くしてしまっている。
{netabare}単眼娘がキツかったなぁ……。どうして２つあるものが１つに減っただけであんなに生理的嫌悪が引き出されるのかは判らないが、加えてその種族独特の価値観として「目が大きければ大きいほど良い」という概念があり、店側が自信満々に紹介してきたのが顔の半分を覆う「巨眼」単眼娘だったりプレイが「眼球舐め」だったりと褒めない意味でインパクト抜群な回だった。{/netabare}
{netabare}逆にグッときたのが火竜(サラマンダー)娘による「女体焼肉」。普段の隠しを焼肉に代えることで見えなかった部分を浮かして見せるという斬新な発想、そんな敏感な部分をスタンクらが箸でつついたりフランクフルト(食べ物の方です)を入れたりして喘がせる様子は本番行為よりエロい！サキュ嬢も『小林さんちのメイドラゴン』のトールみたいで可愛かったなぁ！……って大体の人はそう思うんじゃないかな、うん。{/netabare}
ギャグとエロが良い感じに融合している回もあれば敢えてグロテスクな方向で笑いを取りにくるような回もあり、当たり外れが大きいのが難点か。

【キャラクター評価】
クリムヴェール
風俗店を廻るお話である以上、主要キャラとなる異種族レビュアーズは大概スケベで下品である。そんなグループの清涼剤となるのが種族「天使」のクリムくんだ。
かわいい容姿をした所謂ショタっ子。真面目かつおとなしい性格であるため、サキュバス店でも基本的に受け身。この初々しい彼が恥ずかしそうに性的サービスを受ける様もまたニヤニヤできる要素である。
ちなみに両性具有なので男の子でもあり女の子。浮遊時の尻のアングルが気になる紳士の諸君！それは別にホモっ気があるわけではないので安心していいぞ！アレは女の子のお尻なのだ！なんかデカい象さんが付いてるけど女の子なのだ！！

メイドリー
最初はこの娘が天使だと思いました(笑)
性にオープンな本作の世界観で唯一普通のウェイトレスをやっているというお高く止まった感じにギャップ萌えするキャラクターだ。レビュアーズとサキュ嬢による直接的なエロシーンよりも、彼女の恥じらう姿や言動の方がとても官能的に見える。
{netabare}そんな彼女が自室でひっそり無精卵を「産卵」するシーンの艶めかしさといったらそれはもう素晴らしい。本作中、一番のエロティシズムではないだろうか！ {/netabare}

ミツエさん
出ないでください(辛辣)

オーキナ博士
みんなもポ○モンGETじゃぞ

【総評】
良いか悪いかは問題ではない。令和の時代にアニメ化したこの作品は勇者だった！　完！！
で締めてもいいんだけども、端から見れば悪ノリが過ぎてＳＥＸ普通に描いたエロギャグアニメでしかないよね(笑)　なので良い意味でも悪い意味でも１話で合う合わないがはっきりと分かれる作品だけど、アニメのエロで悦ぶなんて２次元しか愛せない素人童貞しかおらんよな……あ、ボクのことか。
しかしそんなスケベな視聴者を飽きさせない要素としてある様々なモンスター娘を使った豊富かつ大胆なセクシャルシーンと、その性的サービスを受けた登場人物の真っ当正直なレビューが終始、こちらの口角を吊り上げてくれる。規制や放映中止を喰らった甲斐もあって最近の作品ながら、同ジャンルとしては頭１つ抜きん出た作品になったのではないだろうか。
意外と世界観や人物設定が練られている節もある。他の異世界ファンタジー作品ならどの種族も「ちち！しり！ふとももーッ！！」にしか目がない部分が散見されるところ、まぐわいで得られるマナを重要視するエルフ、見た目での偏見が少ない天使、宝箱の罠を解除するかのような繊細な責めを求める小人族など様々な嗜好を描写し、本作はこと「性」に関しては大きな差別化が図られていて面白かった。
地上波でなんとか放映できるよう頑張った「通常ver」、そこからある程度隠しを剥がした「裏オプver」、そして一切の隠しやカット編集を無くした「無修正ver」の３種類の形態があるが、ここまでエロに突き抜けた作品をどうせ観るならば無修正verが断然オススメ。現在ではレンタルビデオ店やその配送サービス「TSUTAYA DISCAS」で円盤をレンタルすることでのみ視聴可能とサブスク時代に相反した方法でしか観れないのだが、この作品を100%楽しみたいという方には３０日無料キャンペーンから利用してみてはいかがだろうか(ダイマ)