ストライク さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『思い出の中に、君がいないなんて…、悲しい事は言わないでくれ』
60分弱の1話完結モノです。
感想
作画、めっちゃ綺麗でした。
ロード・エルメロイII世と呼ばれるようになったウェイバー・ベルベット。
『Fate/Zero』で学生だったウェイバーが、その10年前の学生だった頃の姿に戻ってしまう事件に見舞われたお話。
まぁ 10年前の姿に変化して見えたのは、外殻投影による幻術なんですけどね。
10年前の当時、頭はいいが、魔術的才能は全くないウェイバーは、生徒みんなから落ちこぼれ扱いされてた存在。
しかし、当時のケイネス先生に『血統だけが魔術師の全てではないと思います!』と意見し、それを証明してみせると断言し、躍起になるウェイバー。
その姿に、自分と同じ「血統に劣る家」の一人の少女 カミュ・ペリゴールが、ウェイバーに憧れ、好意を持ったことが大きく関わります。
Ⅱ世は、そんな彼女が魔術回路を失い、時計塔を追われ、功績を奪われ起こした アムレスへの復讐劇。。。だと予想しますが...
実は、過去に囚われ やり残した想いが、黒幕のカミュの動機でした。
10年経った今でも、自分のヒーローだというカミュの想いは、教師になり、かつて聖杯戦争で敗れて消えた、イスカンダルの臣下として生きると決めたⅡ世には、その想いに答えられないと断ってしまう訳だけど...
そこで どうにかカミュの想いに答えてくれないかなぁ なんてちょと思ったけど...
結果は当然というか...
「どんなに無様でも、私達は、この世界で生きていくしかないんだ」
「届かないからこそ!挑まなくちゃいけないんだ!」
「私はそうやって、過去の自分を救ってやりたいんだよ…」と
現実で生きると決めていたⅡ世には、カミュの想いは届かなかったんだなと。
やっぱ駄目でしたね。
まぁ 事件を起こした黒幕で、完全に魔術回路を失くした訳だし、今現在手伝ってくれる弟子で頼りになるグレイがいるからねぇ...
でもココは、観ててホント切なかったです。
別れの最後、写真を撮るのを止め、笑顔を見せたカミュは、魔術なんかなくてもきっと吹っ切れて、良い想い出に変えることができたのだと思います。
Ⅱ世と同じ、過去に囚われた者同士
カミュは後ろ向きで、II世は前向き。
でも、最後にⅡ世がさりげなく過去のカミュと一緒に写ってた写真を飾ってたのには、青春と哀愁を感じました。
本来得るハズの思い出を失くし
本来辿りたい人生を歩めなかった悔い。
誰かのせいで失った人生、あったはずの想い出を取り戻したい願い。
これはある意味グレイも同じ境遇で、グレイ自信彼女に共感し、感情移入して手助けしたんだと思います。
ちょっと切なくて、でも とても哀愁感じる 二人の人生のお話でした。
大変面白かったです。
いつか、今度はグレイの過去が明かされるお話も観てみたいです。