Bハウス さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2022年最初のレビューはロードムービーを
鉄コミュニケーションとキノの旅が好きなのに
何故両方楽しめる本作を見落としていたのか
新年早々ちょっとへこんでいる
物語は紛争が激化している都市で
生き残るために半装軌車ケッテンクラートを渡され
行く当てのない旅に旅立った少女達
チトとユーリによるロードムービー
道のりは無機質な構造物ばかりで
人間が皆無という異質な空間
天候も雪の降る寒空が多く描写されているので
退廃的な虚しさをより強調させてくれる
2人のやり取りをコミカルに見せつつも
かつての人間社会が作り上げた栄華を浮き上がらせていた
局所的に出てくるゲストも効果的で
街を調査して地図に固執していたカナザワ
対岸へ向かうための飛行機を作るイシイ
人間がいなくても命令を忠実にこなすロボットや電車
ユーリのセリフに「絶望と仲良しになる」とあって
全編に共通した部分だったのかなと思う
最後に出てくるヌコとエリンギは
人間社会の形成と崩壊を二人に見せて
この世界は無になる結末を教えた
でも彼女達に悲壮感を感じなかったのは
人間の生への執着なのか単に絵柄なのかw
キノの旅のキャッチコピーが
「世界は美しくなんかない それ故に美しい」
この作品も見終わるとそんな気持ちにさせてくれる