Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルの「ブルーピリオド」とは、有名な画家パブロ・ピカソに由来する言葉。もともとは、ピカソが青春時代に描いた絵の画風を指し、そこから転じて不安を抱える青春時代を表す言葉なんだそうです。
この作品の原作は未読です。
何の事前情報も無く視聴を始めたら、ゆみりんのが出演しているのに気付き、そのうち物語にハマって一気見した作品でした。
成績優秀で世渡り上手な高校2年生・矢口八虎は、
悪友たちと遊びながら、毎日を過ごしていた。
誰もが思う“リア充”……
そんな八虎は、いつも、どこかで虚しかった。
ある日、美術室で出会った1枚の絵に、八虎は心を奪われる。
「絵は、文字じゃない言語だから」
絵を通じてはじめて正直な気持ちを表現できた八虎は、
美術のおもしろさに目覚め、
衝動のままにスケッチブックへ向かっていく。
そして八虎は、ついに進路を固める。
「第一志望 東京藝術大学」
実質倍率200倍、
入学試験まで、あと650日──!
国内最難関の美大を目指して青春を燃やす、
アート系スポ根物語、開幕!
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
原作は、巷の漫画好きの間で「面白い!」と評判を高めている作品なんだそうです。
アニメしか視聴していませんが確かに面白い作品だとは思います。
ですが、少々引っかかった部分が無かった訳ではありませんでした。
一番は美大の志望動機です。
彼には学業の成績がトップクラスという武器があります。
この武器は今後の大学受験…或いは就職活動においても最大限の役割を発揮してくれるスキルです。
一方、美術には、これまで培ってきた武器は通用してくれません。
使えるのは、物事の考え方や取り組むスタンスといった共通項のみ…
生きるための計算も出来そうな主人公が、これまでの一切をかなぐり捨てて舵を180℃反転させるのは度胸や勇気…というより、寧ろ無謀に近いのでは…?
と思えてしまったんです。
自分の人生を後悔の無いように生きることは大切だと思いますし、否定するつもりもありません。
ただ、もし自分が同じ状況に置かれていたら、きっと取り得ない選択肢だったと思います。
例えば私の身の回りにも藝術方面…といっても音大に進んでいる人はいますが、就職後も同じ方向に進む人は極端に少ないんだとか…
もちろん、絵画と音楽の違いがあるので全てが同じように当てはまるとは思いませんが、入学するまで血の滲むような努力を気の遠くなるくらい積み重ねてきて、やっとの思いで入学できたとしても、卒業と同時にこれまで進んできた道に自分で終止符を打たなきゃいけなくなる…
これって、あまりにも残酷なことだと思いませんか?
一方、勉学の道を進んだとしても自分の好きな仕事で生きていくことはできないかもしれない…
でも、可能性は選択肢の幅が大きく違うと思うんです。
だから、主人公の言動が無謀に見えたのかもしれません。
まぁ、所詮はおっさんの戯言なんでしょうけれど…
もう一つ引っかかったこともあるのですが、こちらはネタバレを含むのでここでは割愛します。
これは美大に限ったことではありませんが、道を決めて前に進むということは想像を絶する以上に大変だということです。
生半可な気持ちじゃ流れに乗ることができないし、それに世の中そんなに甘くありませんので…
オープニングテーマは、Omoinotakeさんによる「EVERBLUE」
エンディングテーマは、mol-74さんによる「Replica」
1クール全12話の物語でした。
リアルとのギャップは感じましたが、テーマや気持ちの掘り下げが丁寧で随所で感動させて貰いました。
ただ、終わり方は個人的に好きな感じではありませんでした。
ハッピーエンドっぽいんですが、寧ろ大変なのはこれからなので実はハッピーエンドじゃなかったり…?
今回原作のストックをどこまで使ったかは分かりませんが、私の中で続きの気になる作品になりました。