シボ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
可愛いキャラだけじゃないアニメ
年末、小学生の娘と行ったアニメイトで目に留まった
可愛くて凛々しいキャラに惹かれてこの作品を手に取りました。
ケイバーライトと呼ばれる鉱物で軍事的に他国を圧倒し、覇権国家となったアルビオン王国。
その後10年前に起きた革命で国が分裂して通称ロンドンの壁と呼ばれる壁で対峙することになった王国と共和国。
この物語はそんな国境付近で諜報活動が活発なロンドンで王国内にスパイとして潜入活動する少女達が暗躍する物語です。
1話目で彼女達は一人の男を共和国へ亡命させるミッションに
関わります。
男には病で苦しむ妹を救う真の目的があると知った共和国スパイの
アンジェは
男が二重スパイとして活動するのを阻止するために銃弾を撃ち込みます。
(そして結果的に妹に保険金が渡るように死体を細工して・・)
序盤にしてこの作品がスパイの薄暗い面もしっかり描いていて
キャラが可愛いだけでなくて、アクションや設定も面白いかもって
思わせてくれる始まりでした。
この作品、オープニングがとっても良いんです!
空から車ごと落下する彼女達の躍動感、可愛くて魅力的な
ドロシー、ちせ、泣き叫ぶベアトリス達が生き生きとアップで抜かれる演出。
そして手を引かれ微笑むプリンセスを抱き寄せ
銃を構えるアンジェのカッコよさ!!楽曲もカッコいいし
毎回気分上げ上げで観てました。
2話目でアンジェが学園内に潜入するに至った経緯が描かれます。
学園内で王国内で継承順位4位のプリンセス、そのそば付きの
ベアトリス、ドロシーと共和国のスパイとして活動することに。
過去に因縁めいた繋がりを感じさせるシーン、容姿がそっくりな
プリンセスとアンジェ。
先の展開が気になる演出も飽きさせません。
物語は短編形式で、ベアトリス、ドロシー、ちせにスポットを当て
彼女達の背景を理解しつつ進んでいきます。
彼女達の生い立ちや置かれた状況って結構重くて、それぞれが
悲しい想いを背負ってるんですよね~。
そんな過去がありつつもそれを感じさせない明るくて強い彼女達を
知れば知るほどにどんどん好きになってしまいます。
そしてこの物語のダブルヒロインと呼べる2人。
プリンセスとアンジェ。
8話でのプリンセスとアンジェの過去を知る回はその衝撃と切なさに
観終わった後、しばらく呆然でした。。
入れ替わった二人の運命。そして今に至るまでの苦労や苦悩。
これまでの意味深な2人の絡み、プリンセスの意志の強さに
そうだったのか~~って涙出そうになっちゃいました><!
「あなたはもう、本物のプリンセスよ」
「あなたに言われるの本当に嬉しい!」
楽しかったあの頃を懐かしみつつのピアノの連弾。
軽やかに奏でられるメロディーなんだけど
あれっっ?一か所少し音が外れてしまってるような・・・
そんな細やかな演出が2人の入れ変わった時間の長さ、歩んできた
厳しい人生を感じさせて何度聴いても切ないんです!!
この回以降キャラに対する思い入れが俄然上がってアンジェだけでなく
プリンセスも大好きなキャラに・・・。
プリンセス暗殺指令やクーデター。
クライマックスは様々な思惑が交錯する緊迫感ある展開で見どころありました。
一人プリンセスの命を救おうと画策するも組織の前に
行き詰ってしまうアンジェ。
捕らわれたプリンセスを
ドロシー、ベアトリス、ちせ達が命令に背いてまで友を救うために
動き出す。
(ここだけはリアルのスパイの世界だとちょっと違うのかも
しれませんけど、任務より自らの命より優先するものがあるってのは人間らしくてありなんです!)
それぞれが見せ場盛りだくさんの展開で最後まで楽しめました。
プリンセスとアンジェのお互いを想う気持ち・・・
お互いの願いを叶えたい気持ち・・・
壁によって分断された世界を変えたい気持ち・・・
そんな彼女達の優しさや信条に思いを巡らすだけで切ないけど
二人が幸せになれる続きを観たいんです。
そして今後もそんな優しい続きを見せて欲しいな~。