ひろたん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
コンパクトな物語でありながら描きたいことを描き切った作品
この物語の舞台は、さまざまな時代、国、地域を複製した仮想世界。
この仮想世界では、人格データを複製された人々が自分の素性を知らずに生活する。
・・・あれ、どっかで聞いた世界観ですね。
基本的には、「HELLO WORLD」と同じです。
「HELLO WORLD」は、この作品よりも後なので少なからず影響を与えているかも…。
この作品の時間は、約60分。
登場人物は、ほぼ3人だけ。
舞台は、抽象的な仮想空間の狭い範囲。
とてもコンパクトな作品だと思います。
その分、描きたいことだけに集中しきっている作品だと思いました。
冒頭の二人の女子高生のシーンは、衝撃的です。
この世界観の説明とこれから始まることの切なさを短く表現し話に引き込みます。
この物語では、まず2人のアンチウイルスプログラムの少女が登場します。
この仮想世界に発生するバグを消去する役目を担っています。
自分達はプログラムだと理解していますが、外の世界のことは知りません。
なんだかダークなニオイがしてきませんか?
そして、もう一人、この世界に迷い込んだ記憶喪失の少女が加わります。
なぜこの世界に迷い込んだのでしょうか?
そして、彼女の役目は何でしょうか?
今度は、なんだかミステリーのニオイがしてきませんか?
最後は、このダークとミステリーが「ガラスの花」を接点に繋がります。
そして、切ない結末を迎えるのです。
この世界観は、今では珍しいものではありません。
そして、物語の展開もとてもオーソドックスなものでした。
でも、それだけにとても分かりやすく、話に入り込みやすかったです。
そして、なによりも描きたいことしか描いていないそのシンプルが潔いです。
そのため、見せたかったものをすべて見せてくれたと言う満足感がありました。
とても面白かったです。
仮想空間ものが好きなら観ても損は無いと思います。