ぺー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
三十四にして立つ
原作未読
第1クールめ11話から続く第2クール全12話。#12~#23とありまだまだ続くようです。
一区切りつけてはおります。ものすごく盛り上がっての手仕舞いではなく“to be continued”感薄め。おそらく次が約束されてるからかもしれません。正々堂々とぶつ切りしておりました。
例によって先発でもクローザーでもない目立たない中継ぎポジション。ゲームを壊さずに繋げられるかどうかであれば合格。1クール目のMY評価は『3.9点』にしてますが2クール目はそれよりも高めにつけてることでお察しくださいませ。
① ヒキコニート / 勤め人or通学してる学生
② 無条件で強い / 強いのに理由があるor弱い
③ 女に囲まれる / それなりにいる
⓸ 難儀しない / それなりに苦労する
⑤ 元世界を黙殺 / 元世界との繋がりを意識
こちらは1クール目のレビューにも載せた“異世界転生もの”評価軸です。①左側ヒキコニート以外の②③⓸⑤は全て右側であることのもの珍しさと丁寧な仕上げを好感したわけでして、今回もしっかり踏襲。
①{netabare}出オチネタで話数を重ねるごとに薄れてくかと思いきやところがどっこい{/netabare}
②{netabare}前半で魔術等の個人の成長過程を今回後半ではチームマネジメントを試行錯誤{/netabare}
③{netabare}シルフィエット(CV茅野愛衣)・ロキシー(CV小原好美)・エリス(CV加隈亜衣)と駒揃ってるけどハーレムと思わないのでは?{/netabare}
⓸{netabare}死にかけるしやらかすしとにかく失敗する。こっそり似たような間違いも繰り返している{/netabare}
⑤{netabare}むしろ今回の後半で濃度増してるのでは?{/netabare}
野球でいうところの6回か7回かはたまた8回かは原作読んでないので現在位置掴めてはおりません。しかしながら終盤に向けたゲームプラン通りに進んでいる安心感があります。
ここでやっと中身の話。魔力災害起因の転移事件により魔大陸に飛ばされてエリスとルイジェルド(CV浪川大輔)とパーティ組んで冒険始めてからの続きが今回の2クール目なんですけど下心あったら、飛ばされ前後に1クール目のピークをもっていきそのへんでちょうど11話使いきる気がします。
そんなことせず3人パーティがそれなりに機能している状態から2クール目はスタートしておりその3人パーティが一区切りつけるまででトータル2クール使いました。多く言わんでも次やる気です。
及第点でしょう。続編に期待。
※ネタバレ所感
■次に向けての備忘録
{netabare}・実はルーデウス諸悪の根源説
魔力災害直前に刺客みたいなの現れてケモミミとやりあってたり、ツダケンさんに殺されかけましたし、そんでもってその刺客とツダケンと並列のショットで抜かれたのが魔眼持ちのキシリカ(CV井口裕香)だったので今はロキシーと道中共にしてるけどルーデウスと対峙するのかも。さらにルーデウス起因だとしてそれを知った時のパパンの反応も好ましくなることはきっとないのよね。{/netabare}
{netabare}・おかんが不穏
そのキシリスの魔眼で覗き込んだらよくわからんが生きてるとのこと。しかも闇深い不穏なイメージ。由緒正しい家柄の娘さんだったと思うし、その血筋を触媒にして魔に取り込まれ乗っ取られラスボスとして登場とかしたら悲しすぎる。{/netabare}
{netabare}・導かれし者たち
最終話にシルフィ出てきてた。エリスがルーデウスへの恋心を自覚した。{/netabare}
※よもやま話
■始祖にして至高 または 原点にして頂点
連載開始2013年で34歳無職の設定だから2021年だと42歳前後になるんでしょうか。ガチの就職氷河期世代ですね。日韓ワールドカップ近辺で新卒を迎えた方々。妙にリアルでございます。
聞けば“異世界転生もの”の初っ端(しょっぱな)にしてサイトのトップを数年間堅持したタイトルらしい高い評価をアニメでも得ております。
{netabare}あくまで個人的な感想。その後続く私含めて毛嫌いする方多数のいわゆる“異世界転生もの”でこのタイトルに正面切って喧嘩を売った作品は皆無じゃなかろうか。冒頭“異世界転生もの”評価軸⑤を例に二つの世界の整合性を保ったままエンタメするに足る筆力は高いものが求められるのもあるし、真面目に書くと“無職転生”のパクリとなるわけでパロディに走らざるをえないような気がします。あとは6年もトップを保ったジャンルの派生形として二匹目のどじょう狙いすさまじき!ってところでしょうか。{/netabare}
{netabare}たぶん私古い人間で『ロードス島戦記』『アルスラーン戦記』のハイファンタジーで育っており、時代のニーズがどうこうよりも{netabare}“異世界に転生する意味や意義”{/netabare}が描かれなくて何が楽しいの?と思うわけであります。本作にはそれがある。仮に作画へろへろだったとしても楽しんでそう。{/netabare}
■無想転生
{netabare}メイビーこの作者は北斗の拳世代もしくはリスペクト系なんだろうと思います。
愛と哀しみの究極奥義をネタ元にして薄っぺらなもん作れまいと決意したと思われる。{/netabare}
■タイトル回収!?(注:それなりに重いネタバレ)
{netabare}異世界行ったら本気出してたじゃーん{/netabare}
{netabare}最終話。玄関を境に踏みとどまりうつむく34歳と一歩踏み出すルーデウスを同じフレームに収めて比較するカットが良かったです。「本気出す」の定義はいろいろありましょうが一つの証左と受け取りました。それがはっきりと表れたかたちです。
家の外に出て修業するのを怖がってた彼が踏み出したり(背中を押したのがロキシー)
トラウマとなったであろう人を助ける自身の正義感を諦めなかったり(シルフィに手を差し伸べた)
そしておかんゼニスを探すため玄関を出て一歩踏み出す あれ!?エリスなんかあったっけ?{/netabare}
差し伸べてくれる掌を払いのけていれば人は去っていきます。…と作中でも杉田が述べております。
そんなおっさんが生き直す物語は山あり谷あり、むしろ谷が多めでちょうどよいのです。
視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ
-----
2021.12.29 初稿