「文学少女 劇場版(アニメ映画)」

総合得点
64.7
感想・評価
274
棚に入れた
1391
ランキング
3699
★★★★☆ 3.7 (274)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
3.7

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

夕日に染まる二人の時間に綴られる物語

ファミ通文庫のライトノベル、"文学少女"シリーズの劇場版アニメ作品。
原作ラノベ5作目『“文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】』のアニメ化になっています。
なお、1作目から4作目はアニメ化しておらず、ラノベ本編のエピソードのアニメ化は本作のみです。
そのため、本作一本で、「井上木葉」と「天野遠子」の出会いからその結末まで述べられています。

文学を愛するがため、小説や物語を文字通り食べて生きる、自称・"文学少女"「天野遠子」。
彼女が本を食している姿を偶然目撃してしまった心葉は、遠子が部長を務める文学部に、半ば強制的に入部させられてしまう。
甘酸っぱい物語が大好きな遠子は、(心葉が)ラブレター代筆を行うため、中庭に依頼ポストを設置しているのですが、そんな怪しいポストに入っているはずのない手紙が、ある日入っていることを見つける。
だが、その手紙には、子供の落書きのような絵が描かれていた。
連日投函されるそのいたずらのような手紙の正体を突き止めるため、心葉と遠子はある日の晩にポスト近くの茂みに隠れ様子を伺うが、現れたのは意外な人物だった。

"文学少女"である遠子は、物語を読んで想像することしかできないですが、それによって登場キャラクターたちの想いを解いてゆく展開となります。
原作では、物語は断片的で全貌はぼやけている感じなのですが、アニメの本作では原作に比較するとわかりやすく、遠子の考察を待たなくても、普通に見ていると何が起きているのか追うことができます。
映像化してしまうと、それまでの物語から文学的考察をして真実を明らかにするというのは表現として難しかったようで、アニメは遠子の"文学少女"感が薄く、割とわかりきったことを最後に総括して述べているように見えてしまうことが残念でした。
また、原作5作目からのアニメなので、遠子、心葉、美羽以外のキャラクターが薄くなってしまったのも残念に感じました。
特に麻貴先輩は、最後ちょっとだけの登場なのに、ずっといたみたいな顔で出てくるので、アニメから見出した場合、彼女が誰だかわからないと思います。
彼女は1作目から登場するすごくキャラの濃い先輩なので、原作も読んでほしいと思います。

なお、劇場版より前にリリースされたアニメ『"文学少女"メモワール』シリーズ3作は、劇場版を補足する内容となっています。
メモワールシリーズを先に見るべきか後に見るべきかは難しいところだと思います。
というのは、メモワールシリーズで、劇場版の重大なネタバレがされており、メモワールシリーズを見ると、劇場版の内容のバックボーンが詳らかになってしまうんですね。
一方で、メモワールシリーズを見ずに劇場版から入ると、説明不足感があるのも否めず、個人的には、アニメシリーズは原作のファンサービス的な作品として、原作の本編全巻読了後に見た方がいいように思いました。

不満点が多いですが、面白くなかったかというとそんなこともなかったです。
原作を読んだのは随分昔なので、懐かしさも感じながら、楽しく視聴しました。
ただ、"文学少女"シリーズは原作の完成度がとても高いので、仕方ないのかなと思います。

投稿 : 2021/12/27
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サンキュー:

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