Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
宇宙(そら)を目指す全力な君が、未来をくれたから――
この作品の原作は未読ですが、林原めぐみさんが主人公を演じると知り視聴を決めた作品です。
最近、ちょいちょい林原さんの出演されている作品を視聴していますが、主人公を演じるのは久々だったのではないでしょうか。
そんな背景も視聴への気持ちを後押ししてくれました。
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、
その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――
東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、
成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。
そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。
『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――
その実験体、イリナ・ルミネスクを24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。
レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――
種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、
宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
物語の舞台は架空の国ですが、欧州のドイツが東西に分裂していた頃の東ドイツを彷彿とさせる雰囲気を醸し出しています。
人類発の有人宇宙飛行を巡り、熾烈な競争が繰り広げられていました。
どこの国の、誰が一番最初の宇宙飛行士になるか、関係者が躍起になって取り組んでいましたが、個人的にはやはり二番煎じで良いと思ってしまいます^^;
1番最初に事を為すのは名誉なことかもしれません。
だからと言って、名誉と自分の命を天秤で量れるかと問われると、私の答えはきっと「NO」だと思います。
決して一番最初が嫌いな訳ではありません。
命のリスクの少ない自分の仕事での一番乗りは、寧ろウェルカムなんですけどね。
まぁ、私の場合は自分で考えて自分で実践するしか手立てがないんですけどね^^;
一方、林原さん演じるイリナですが、最初から見た目は可愛らしい子だと思っていましたけれど、随分気の強そうな女の子、と言う印象を受けました。
私は、吸血鬼がこれまで受けてきた仕打ちを知っていたら見方も変わったんでしょうけれど…
ですが、それは些細なことでしかありませんでした。
回を重ねるごとにイリナの可愛らしさにどんどん磨きがかかっていくんです。
これはイリナがレフやアーニャに心を開き打ち解けたから…
これはフィクションなので多少の脚色はあると思いますが、心を開いている人とそうじゃない人の前で見せる表情にこんなにも違いがあるのかと如実に違いを感じました。
イリナは人間より先に宇宙に行きたいと言っていました。
それを視聴した時には、その言葉を額面通りにしか受け止めませんでしたが、完走して振り返ってみると、イリナの一番の思いはそれじゃない気がしてきました。
自分が先に飛ぶことで、仮に重大な欠陥や問題が見つかったとしても後進が同じ道を進む時には既にその問題は解決している…
そして、もしレフが後進として飛ぶなら、絶対にレフを危険には晒したくない。
だから最大限のチャンスを掴んで、何をも厭わずレフを守る…
そんな彼女の意志が今回の結果をもたらしたのではないでしょうか。
それって、言い換えると二人の愛の力…ですよね^^
二人とも恥ずかしがり屋で奥手なので、そちらの方は中々前には進みませんが、どちらも若いので、色んな気持ちをゆっくり育んでいけば良いのだと思います。
オープニングテーマは、ALI PROJECTさんによる「緋ノ月」
エンディングテーマは、Chimaさんによる「ありふれたいつか」
ALI PROJECTさんの楽曲も久しぶりだったのではないでしょうか。
独特の曲調なのでピンと来ますよね^^
1クール全12話の物語でした。
アニメは一応区切りの良いところで終わりましたが、原作は未だ連載が続いているようです。
宇宙を巡る熾烈な競争の次のステージへと進んでいくのでしょうか。
ともあれ、今後のレフとライカの幸せを祈念しています。