クマ吉 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
愛の悲しみ
13話が個人的に好きな回でした。ピアノから逃げていた公正が、かをりに出会って音楽をやる喜びを少しづつ取り戻しつついたところではありましたが、それは純粋に楽しむ気持ちとかをりへの恋心が混じっている状態に思えました。ピアノは自分の気持ちを表現するものだと作中で言っていたとおり、最初はかをりの凄さを皆に見せつけたいという気持ちが強く、ピアノも荒らしい音でしたが、母親との思い出の曲だということを思い出し、演奏がガラリと変わます。母親の死の悲しみを理由に逃げていただけだと、母親の亡霊は自分が作り出した虚構の存在であったということ、それに気づき母親の死と決別する瞬間がとても感動しました。公正の母が公正になぜ強く当たるのかが描かれたのも良かったですね。自分の死が迫っていて出来るだけ何かを公正に残したいと思う気持ちが、結果的に公正を傷つけてしまっていたのでした。それまでは自分を誇示したいという母親として描かれていましたが、実際はただの子供を愛する母親でした。死の間際で感情的になって愛が狂気に変わってしまうといった姿はとてもリアルでした。愛の悲しみ。タイトルと曲がとても秀逸ですよね。