レオン博士 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
宇宙を目指す吸血鬼少女と担当教官の絆の話
【紹介】
今期はロボアニメと吸血鬼アニメがとても多いですね。
1960年代の米ソ宇宙開発競争(ソ連のルナ計画、アメリカのジェミニ計画)をモデルにしているようです。
ソ連の宇宙飛行士がガガーリンではなく吸血鬼の美少女になっています。
ジャンルはSF×ファンタジーではなく、SF風のファンタジーラブコメと言ったほうがいいかも。
【作画】
とても綺麗だったり崩れたり少し不安定。
食事のシーンが妙に生々しくて気持ち悪い。 普通に可愛く食べる感じじゃダメだったの?
【元ネタ】
ツィルニトラ共和国は旧ソ連が元ネタだと思います。
タイトルにもなっている「ライカ」は、1957年のソ連のスプートニク計画の宇宙船に乗っていた犬の名前です
タイトルに「ライカ」って名前入っているので、作者的には吸血鬼があの時の犬と同じ立場だってことが言いたいのかも。
暗に犬を実験に使ったことを批難しているのかもしれません。
【音楽】
BGMが滅茶苦茶カッコよくて、すごく好き!
なんかアクションゲームとかRPGとかに使われそうな曲調ですね。
主題歌は「緋ノ月」ALI PROJECT EDは「ありふれたいつか」Chima
吸血鬼とかゴシックとかとALIPROの相性が良いですね、ただOPアニメとはあまりあってないかも。
EDはとても落ち着いた感じの癒しソングでどちらもいい感じ。
【キャラクター】
キャラデザが可愛らしくていい。イリナ可愛いし、レフも好きなキャラ。
とにかくメイン2人の関係性が好きです。
【シナリオ】
SF、人種差別、ラブコメ、ファンタジーと色々な要素を欲張ってどれも中途半端になった感じのシナリオ。ラブコメとして見るなら良いかも。
{netabare}
宇宙飛行士の訓練は興味深くて、ちゃんとしているところは面白いと思いましたが、宇宙に行く準備はちゃんとしていても宇宙に出発してからはかなりあっさりしていて、そこに期待していると裏切られた気分になりそうで、ラブコメだと思って視聴するか、そうじゃないかで作品の評価は大きく変わると思う。
ただ、ラブコメにしても吸血鬼に対する執拗な差別は、差別に至る経緯も不明なまま繰り返されるのがかなり不快でした。
シナリオ的には吸血鬼である必要がないように思います。
血吸わないし、吸血鬼の弱点もあまり関係なくて、人間から不当に差別される理由にしかなっていないのが酷い。
人種差別は余計な要素だったんじゃないかなって思った。
モノ扱いされている種族に対して最初から好感度が高すぎるのもなんで?って思う。
最初は嫌いか無関心から始まって、一緒にいるうちに徐々にモノ扱いできなくなっていくほうが
シナリオとしては好みだけど、まあ私の好みなんてどうでもいいか。
でも、イリナとレフの関係性がとにかくいい感じで、二人が幸せになって欲しいって願いながら視聴してました。
話の締め方も綺麗にまとまっていてとても心地よい気分で視聴を終えましたが、物語としてはまだまだ裏がありそうで、
続きが気になりつつも良い感じで締めたところがポイント高い。
{/netabare}
【シナリオの変なところ】
{netabare}
・人々の吸血鬼に対する扱いが変。
人間とは明らかに違う希少種でモデルが冷戦期のソ連であることを考えると、希少種ならむしろ捕まえて隔離して大事に扱って色々な研究に使う気がします。
ところがこの作品は、希少種の重要性を考えずにただ嫌悪して差別して虐待しているのがまるで中世ですね。
・国家の威信をかけたプロジェクトをただの補欠候補生に任せる理由がわかんない。
貴重な実験体のはずなのに、町に連れ出していいのもなんで?
これだけ仲良くなるようお膳立てしているようにすら思うのに、モノ扱いすることを推奨する感じが矛盾してる。
・吸血鬼とは言っても普通の人間と身体能力ほぼ変わらないのにあれだけ無謀な訓練させて、もし大けがでもしたら国家プロジェクトが延期になりかねないのでは? そうなれば銃殺刑にされそう。
少なくとも安全には気を遣うべきでしょ。
{/netabare}
【総評】
人種差別と吸血鬼はいらない設定じゃないかって思うけど、イリナとレフのラブコメとして見るならいい作品だったと思う。
続きが気になりますね。