まつまつ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異世界での本気を見せてもらいました
第2クールはルーデウス達の暮らすフィットア領に魔力により人々が世界各地に飛ばされる転移災害が起こり、ルーデウスとエリスも魔大陸に飛ばされ、そこで出会ったスペルド族のルイジェルドと出会い共に元のフィットア領へ帰還するまでの話。
全編大原ゆい子さんが手掛けた楽曲が使われていますが、どの曲もこの作品に合っていてとても素晴らしいと思います。
特にEDの風と行く道が本編視聴後に流れると涙腺が緩みました。
変わらないで欲しかった日常、だけど現実は変わりゆく、強く生きて行かなくてはいけない。ルーデウスとその仲間、家族達の思いが伝わってくるような感じがしました。
そしてパウロとの再会から和解、別れ、ルイジェルド、エリスとの別れ泣かせてくれます。
この旅を通してデッドエンドの3人は本当に成長しました。
34歳の引き籠りが転生して人生をやり直す。
体は子どもでも34歳の知識を持ち、多言語を習得する恵まれた頭脳と無詠唱魔術という優れた才能を持ちつつも努力は続け、エリスを故郷に連れて帰る為に考えを巡らす。
でも自分より強い相手もいるし、失敗もする、何でも思い通りにいかない展開がリアリティがあってとても良かった。
元々が引き籠りで自信の無い人間だった訳なので、いくら頑張ろうとしても失敗すれば卑屈にる時があるのは仕方がない事だと思います。
それでも転生して、必死に人生をやり直そうとする前世の男の気持ちが凄い伝わって来た気がします。
最終話で前世の男が引き籠った理由が出てきますが、平気で横入りをする不良達を注意した事でいじめられた事が原因でした。
元々は正義感が強く優しい人間だったのでしょうが、引き籠ってしまう事で、両親に余計な心配をかけてしまっている事、そんな自分を変えれない悔しさ等何とかしたくても引くに引けない状況に陥ってしまっていたのだろうと感じました。
エリスと一夜を共にして人生の絶頂を迎えた後の突然の別れ。
正に天国と地獄です。前世では女の子、そもそも人ともまともに会話した事も無く、34歳童貞の初体験です。
そりゃあ天にも昇る気持ちだったろうに、突然いなくなれば自分の力不足だったのかと不安にもなるだろうし、どん底の気分で再び引き籠りたくもなるでしょう。
でも、ロキシーやシルフィーもルーデウスの事を尊敬し信じていましたし、グレイラット家での楽しかった幼少期の日々を思い起こし、ゼニスを探さなければと再び奮起し旅を再開する所で話は終わります。
転生した人生で家族から愛されていた事を思い出し、その事により前世でも両親や家族だけは自分の事を心から心配し応援してくれていた事にも気付くきっかけになりました。
これだけでも前世の男はルーデウスグレイラットとして人生のやり直しを見事に出来たのかなと思います。
それだけでは無くエリスも手のつけようの無い暴君から、人間的に見違える程成長し、彼に感謝をし愛する人の為に強くなろうと決心をするまでになりました。
また、ルイジェルドもスペルド族に付された負のイメージを払拭する努力をし、実際に払拭されつつある状況にまで変えてくれた事で呪いから解き放たれ前向きに生きるきっかけをルーデウスが与えてくれました。
この2人を成長させた事も大きな功績でした。
ルーデウスのエロ要素も、まぁ前世が引き籠りの中年ですし思春期真っ只中の年頃だと色々妄想してしまう方がある意味現実味があるでしょう。
むしろ良く気持ちをセーブしていたと思います。
なろう系作品の中でもかなり優れた内容だと思います。
作画、音楽、ストーリーどれも素晴らしく今期の作品の中では一番放送を楽しみにしていました。
原作の最期まで映像化してくれる事を切に願いたいです。