Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これは、これまでの、これからの物語。
この作品の前作となる、TVアニメ版第1期と第2期は視聴済です。
あ、ショート作品である「ちゅるっと!」も視聴済でした^^;
次々と衝撃的な事実が明るみになり、戸惑うことすら許されない友奈たち勇者部一行…
一歩前進したら決して消えない傷を受けるのを知っている中学生の女の子の背中を容赦無く推す大人たち…
仲間のために何をも厭わず繰り広げられる満開と、魂の叫びに何度も涙で目の前が見えなくなりました。
そして時は遡り、主人公の年齢は中学生から小学6年生に変わり、次の物語が紡がれ始めました。
そこは、勇者を守るシステムが未完成だった時代の物語でした。
勇者に選ばれるのはとても名誉なこと…
だから身を挺して神樹様をお守りするお役目を果たすのは、勇者として当たり前であること…
身体中、いつも傷だらけで重傷を負うことだって珍しくありません。
「私たちは3人で勇者…」
このセリフが胸に突き刺さったのを覚えています。
そして物語はこの大満開の章に繋がる訳ですが…
個人的には色々謎が残る形となりました。
一番の謎が「結局、神樹様って何だったんでしょう…?」です。
みんなから敬われる存在であるのは分かります。
外敵からみんなを守っているのであれば、神樹様が傷つかないように有事の際は盾が必要になるのも分かります。
勇者は神樹様の盾であり鉾であるにも関わらず、何故こんなにも勇者を苦しめるのでしょう。
やっていることが本末転倒で支離滅裂にしか思えないんですけど…
と思わずにはいられませんでした。
だからなのかな…
本当なら第1期や第2期の様に号泣できる作品なんでしょうけれど、正直涙腺に響くポイントがあまり無かったんですよね。
第2期までの視聴で相当ハードルを上げてしまっていたせいなのかな…?
もしかすると、物語の展開と尺の長さが合っていなかったのではないでしょうか。
楠 芽吹率いる防人についても描かれていましたが、本来なら「楠芽吹は勇者である」のスピンオフ作品としてもう少し尺を取って深掘りした方が、より物語に入り込めた気がするんですよね。
それは「乃木若葉は勇者である」にしても然り…
だからこの作品は、12話の尺で3つの物語を取り扱っていることになるんです。
平均すると1つの物語で使える尺は約4話分…
それじゃ普通の短編作品と大差ないじゃありませんか。
しかも、それぞれの話を繋げる分の尺も必要になるんです。
もう少し尺を取れていたら、もう少し違う印象が持てた気がします。
そう考えると、その点は残念だったかもしれません。
オープニングテーマは、「アシタノハナタチ」
エンディングテーマは、「地平線の向こうへ」
どちらも讃州中学勇者部が歌っています。
楽曲に関しては2点気になったことがありました。
1点目はオープニングアニメで、讃州中学勇者部のみんなが一人ずつ映っていましたが、草花で覆い隠されていた部分って、第1期の散華で失った部分でしたよね。
印象的だったのは乃木 園子のシーン…
彼女は満開を繰り返し身体の機能をほぼ喪失してしまっていたから、あのような表現しかできなかったんだろうな…と思いながら視聴していました。
2点目は、第1話で流れた劇中歌です。
中でも樹と夏凜がカラオケ店で歌ったていた「真紅の刃」は、〇〇の巨人の楽曲にそっくりなんですけど…
転調の仕方もそっくりなので、思わず笑ってしまいました。
1クール全12話の物語でした。
しっかり堪能はさせて貰いましたが、少し急ぎ過ぎに感じたられた部分が勿体ないと思えた作品でした。