いい歳したおっさん さんの感想・評価
3.8
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハッピーエンドに見せかけたバッドエンド
後で調べて分かりましたが、この作品は元々の原作はなくオリアニとの事でした。全話視聴を終わりましたのでレビュー致します。
あらすじは、幼い頃の主人公が父親と船旅に出ている最中に海賊に襲われてしまいますが、ある男子の手によって主人公1人が小型ボートにて助かります。ただ、彼女がたどり着いた先が娼婦の島で、その後成長した主人公に初仕事が任されますが、それを受け入れられず島を脱出しようと奮闘します。
その最中、「ある男子」が成長した青年に再会し窮地を救われた事で、眠っていた記憶「エデン」が呼び起こされ、青年と仲間とともに謎を解明するするために船旅に行くことになる・・・という内容です。
正直なところストーリーはかなり面白かったです。「最終話」を除いては・・・
{netabare} 父親から形見として残った「石」や「エデン」の謎へ近づいていく工程は冒険活劇としては十分に面白かったです。
しかし中盤、フェナの母親やアベルの登場によりストーリーが謎めいたものとなり、謎が謎のまま最終話へ進み、その結果がタイトルの通りです。 {/netabare}
【最終話について】
{netabare} 展開が唐突すぎて「?」です。話の意味は分かるのですが、「なぜ急にそうなる」という意味です。
ラーメン屋で飯食ってたら、そこに車が突っ込んで来るくらい唐突で、「エデンの意味」や「フェナが存在する意味」が大きな伏線もなく突然明かされ、エデン(の神とも言える)声からフェナに理不尽な「選択」を迫ります。フェナは旅を共にした雪丸や仲間を救うため、自己を犠牲にする選択をするのですが・・・
作中ではハッピーエンドのように話が纏まりますが、正直なところラストから行きつく先を想像すると「記憶を失った(リセットされた)フェナと過去の船旅を辿ってフェナの記憶を取り戻そうとする雪丸」は「フェナの母親とアベルの生き様」とある意味ダブっており、愛に「憑りつかれた」生涯になりそうな気がしますし、何より生まれてくる子供も「選択の巫女の運命」を繰り返す事になるかと思うと、これはバッドエンド以外の何物でもないほど不幸な気さえします。この作中の結末は幸せと言えるのだろうか・・・
この終わり方も1つの正解なのでしょうが、個人的に「フェナの性格」を考えるなら、「世界のリセットによりフェナと雪丸がアダムとイブになる選択」も「自身をリセットして世界を維持する選択」もお断りで、どちらでもない第3の選択を行ない、巫女の枠割もエデンも終わらせるような本当の意味でハッピーエンドにしてほしかったです。 {/netabare}
☆の評価上、物語の評価以外は点数が高いため、この評価となっていますが、実際の全体的な点数はもっと低くなります。ちょうど3.0くらいでしょうか。それほどラストがもったいなかったです。