ケエン さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
肉体言語と魔法少女
話の大筋がめちゃくちゃであり、さらに魔法少女なのに魔法ではなくて肉体言語(プロレス)で戦う主人公「田中ぷにえ」の話が大魔法峠だ。
奇想天外な内容がひっきりなしに飛んでくるので、極端なギャグ系の作品が嫌いではなければ、面白く視聴できるとは思う。
この作品は「アンチ萌え系」作品ともいえるだろう。
当時席巻していた「萌え」要素的外見を主人公たちは持ちつつも、性格や言動が全く「萌え」キャラではないといったところが本作の見所だ。
萌え系外見の主人公が出てくるアニメのはずなのに、平気で人をボコボコにする主人公。基本的な作品では、主人公が善人に描かれるために悪事の加害者にならない(または加害者であっても本当の悪者としては描かない)ことが多いが、本作の主人公は自身が助かるために平気で友人を囮にしたりとする。
また、魔法少女だからこそ、肉体言語を用いて敵と戦うことに意外性が生じる。そもそも、突拍子もない話の展開をする作品だからこそ、魔法少女がプロレスを用いることに疑念が生じることがない。しかも、肉体言語の描写(プロレス)が細かく描写されているようであり、魔法少女×肉体言語の組み合わせと意外性を強調できているように思える。
ただし、大魔法峠は意外性を獲得するために他の作品の常識を必要としており、この作品単体ではこの作品の持つ意外性が成立し得ない。
また、かわいい女の子が実は冷酷で悪いことをするという極端な設定は、00年代のキャラ極振りアニメ群の流れの延長戦であるように思える。