ウェスタンガール さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
まぬけ
…と言っても、自分のことである。
俄かのアニメファンな訳で、特にシリーズ物と劇場版の順序が逆転したり、飛ばしてしまったりで、訳が分からなくなることがよくある。
挙句の果てに、自分でストーリーを補完したり、時系列が入れ子になった“演出的なもの”の一つと考えることさえある。
白状すれば、今の今まで、今作の『アリシゼーション』の後に劇場版『オーディナル・スケール(OS)』が製作されたと思い込んでいたのである(製作順くらい確認しろよな)。
そんな訳で、オープニングアニメに出てきた重村教授とサーバーの止め絵、ユナのPV映像に、「これは凄い!、OS、劇場版への伏線がちりばめられている!」等と、勝手に感心していたのでありました(汗)…。
どちらにしても、流石の設定である。
中でも、ラースの比嘉くん、{netabare}彼の人格そのもののコピーが発狂に至る過程{/netabare}にはゾッとさせられた。
そのことを踏まえてか、アリシゼーションの世界での記憶の問題、時間の進み方、すべてがゾクゾクする出来であり、“魂”の世界へ足を踏み入れ、科学とオカルトの狭間でもがき苦しむキリト君を期待していた訳だ。
ところがどうだ。
早々とキリトくんは記憶を取り戻してしまう。
仮想世界で生き過ぎた彼にとっては当たり前なのかもしれない。
しかし彼には、別作品ではあるが“グリムガル”的な“もやもや”や“オカルティックナイン”的な“葛藤”を感じて欲しかったような気がする。
そして何より決定的だったのは、そこが“不思議の国”ではなかったことであろうか。
そのものズバリの{netabare}“変態の国のアリス”{/netabare}であった。
余りにもテンプレな表現が残念で仕方がない。
もちろん、従来のシリーズの敵役を見れば、そこに違和感を感じるべきではないのかもしれない。
しかし、延々と続く明るく能天気なストーリーとのミスマッチ。
上手く言えないのだが、深層心理を素手で撫でられるような気味悪さが感じられないのである。
とは言え、とても興味深いテーマと人間ドラマが絡み合った作品である事は確かで、次も見て損はない?、かな。