オランジーナ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメでしかできない良作群像劇 ただ本格ミステリーではないかな
自分がそこそこ信頼しているアニメレビューサイトmyanimelistの☆が妙に高かったのが気になり視聴しました。
群像劇作品は案外無いので多少の新鮮味はありました。しかし、序盤は絵柄も相まってテンポもダラダラしていて、雰囲気アニメなのかな…と少し落胆していましたが、徐々に中盤辺りから暗転。
気が付けば目が離せない展開になり、そしてラストにかけての怒涛の伏線回収…!
特に最終話は驚きすぎて思わず大声が出てしまいました。
見始めた当初からは予想外の良作でしたね。
ジャンルとしてはミステリーやサスペンスなどの要素はありますが、いずれも本格的なものではないため、単に群像劇として観た方が面白いと思います。
2週目見返しても点と点が繋がり、自分は聞いてないですが補完音声もあるため、制作側も如何に綿密に作品を作っているかが分かります。
雰囲気も小ネタや漫才など何となくドラマっぽいような作風を感じましたが、視聴後スタッフのインタビューみたらその狙い通りだったそうで、納得。
開発陣と制作会社もアニメ制作自体が殆ど初めてで、だからこそ生まれた日本のドラマとアニメを融合させたような、今までにない作品になっていると思います。
それでいてテーマも現代の風潮をうまく皮肉ってますね。
時代に合わなくなってきた漫才師、SNSで承認欲求を満たす若者、一方でソシャゲ依存で精神を病む若者、出会い系で騙すモノと騙されるモノ、反社会的勢力、半人前なアイドル達の実情、そして過去に大きなトラウマを抱えるものなど…。
作品上ではどうしても狭い世界になってしまっていますが、まさに現代社会の縮図なのかもしれません。
ただラストは冷静に考えてみると、
{netabare}
あの終わり方は驚きと恐怖のインパクトはあるものの、
所謂サイコパスによるホラー映画の締め方になってしまっているんですよね、作品の余韻を残そうとしている意図は分かりますが。
そこまでうまく描かれてたキャラの背景が、理屈や過去も無いものに少し埋もれてしまったように感じます。
{/netabare}
個人的には少し勿体なさがありました。
声優は本職の方も混ぜつつ、芸能人もちょくちょく入ってますが違和感ない程度には聞けます。映画ではよくあるけどこういうアニメ作品ではあまり見ないですよね。
1クールで見やすいこともあり、アニメ初心者にもオススメ。