ケエン さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
R-15 少年の葛藤
個人的には好きな部類。少年の性に対する興味と恋愛をライトに描いた作品としてアリかなと思う。00年代に大量に出現し消えていった、属性系ヒロインの登場する学園ものとしては面白い方なんじゃないかと思う。まあ、一部内容の矛盾に違和感はあれど、それは当時の学園もの作品としては別にありふれたことのような気がするので突っ込んではいけないのだろう。
エロ表現としては、00年代のアニメとしてはエロ表現もこんなもんじゃないのかっていう印象。kis×sisとかあんな例外は置いておいて、00年代のちょっとエロいアニメとしてはありふれた内容で、逆にそれがこの作品が他の微エロアニメの中に埋没してしまった原因かなと思う。けれども、少年の性への目覚めの中学生の過程はすっ飛ばして、高校生の性に対する認識を描いているからこそR-15というタイトルなのかな。
{netabare}
この作品に登場する主人公は高校生であると同時に、彼は官能小説作家。
主人公は妄想力が豊かであって、学園に通う少女達を見てついHは想像を掻き立てられてしまう。
見所としては、思春期の主人公が自身の性に対する考えとメインヒロインに対して抱く純粋な恋愛との間で発生する葛藤と、その葛藤の末に恋愛の面が勝つということだろう。
しかし、主人公はメインヒロインと出会った際には、妄想を掻き立てることができない。主人公はメインヒロインに恋心を抱いてしまったのだ。それまで、周囲から官能小説を書いていると思われても気にしなかった主人公であったが、友人の前ではエロい話ができるのに、好きなメインヒロインの前では自身が官能小説の作家であることを明らかにすることができない。まさに、思春期の少年の煩悩と恋心の葛藤が話の根幹なのである。
しかし、ついにはクラスの存続のために、自身の官能小説家としての能力を発揮しなくてはいけなくなり、メインヒロインの前で自身の正体である官能小説の作家であることを明かさなくてはいけなくなる。それは自身の欲望や妄想を好きな人の前で吐露することと同意義であり、メインヒロインに主人公の欲望を否定されてしまうかもしれない。主人公としては嫌われたくない。
けれども、メインヒロインは自身の才能に悩んおり、少女を励ますためにも、主人公は自身の官能小説家としての才能を歌詞を描くということで発揮しようと志す。主人公の純粋な恋愛感情が彼の性に対する興味や羨望を上回った瞬間だと思われる。
そこまで、人間はきれいではないので、クズの本懐みたいなえげつないドロドロのエロと恋愛を描いて人間の本性を暴き出す物語の方が人気は高いし、インパクトも強いのかな。R-15の場合、高校生の性に対する淡い考えや出来事を描くのに、エロエロな内容は適していないし、内容の帰結の仕方的にもドロドロのエロと恋愛を描くこともできなかったんだろう。
{/netabare}
主人公の通うひらめき学園には超天才達が集まっているのだが、この天才達が通っている学園という要素がダンガンロンパに似ているように思えた。ゲーム発売が2010年11月、R-15の原作小説は2009年7月。もしかすると、ダンガンロンパの方が R-15の内容に影響を受けていたりなんて思ったり。