「乱歩奇譚 Game of Laplace(TVアニメ動画)」

総合得点
61.7
感想・評価
664
棚に入れた
3150
ランキング
5288
★★★★☆ 3.3 (664)
物語
3.1
作画
3.4
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.2

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ネタバレ

ケエン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原作の違和感

個人的に、江戸川乱歩の作品には、おぞましい犯罪者を扱った作品などが数多くあって、悲惨な猟奇的殺人事件や犯罪者のエゴ的めちゃくちゃ思考などが表現できている点がポイント高い。
そして、江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」原作の小林少年は、明智の助手として殺人事件や江戸川乱歩作品の代表的怪人二十面相に挑んでいくわけであるが、ここに違和感がある。小林少年はまだ小学生や中学生といった年齢なのにも関わらず、自身から明智探偵に関わって、大量殺人者を追ったり、時には敵に見つかって拘束されたりする。にも関わらず、小林少年は明智の助手であり続け、明智もそこに疑問を持たな(かった…はず)い。
そこには、小林少年の以上なまでの明智崇拝とともに、自身の危機感のなさというものもあり、このアニメでは、そこを少年コバヤシが猟奇的殺人に関わることで自身が生きているという実感を得られるというサイコパス的少年として描かれることによって解決しようとしたのだろう。ただの中学生が明智の助手になって、難事件に挑んでいくというストーリーだと一般的な感性の少年だったら難しいに決まっているのである。
{netabare}
そんな危うさを持っているヤバイ少年コバヤシであるが、まともな感性を持ったハシバによって現実世界にかろうじてつなぎとめられている。コバヤシやアケチほどの推理力もとんでもない思考や能力も持っている少年ではない。しかし、最後の最後でハシバによって真の怪人二十面相の企みを砕かれ、アケチやコバヤシの倫理や行動原理よりも最後にはただの友情が勝つという話の構造は、テンプレだがとても好きだ。
最後のコバヤシのセリフ「別にこんな世界、希望なんてないけど、生きていかなくてもいいかなと思っていたけど、でも今は少しだけ楽しくなってきたかもしれない」非現実にあるスリルを追い求めて自身が生きているという実感を得なくても、友情や学校などのある日常生活によって生きている価値を見いだせたコバヤシくんは今後もハシバとともに支えあいながら生きていくのだろう。
残念な点は、一般人が自身の価値観によって犯罪者を裁くという問題を作中のぶっとんだ倫理観を持った人々は追求することをしなかったというか、できなかった。アケチは過去の因縁によって怪人二十面相を追いかけ、コバヤシは非現実に憧れるあまりに気にしていないどころか肯定(怪人二十面相の企みに加担して自身も自殺)さえしようとしている。
しかし、作中では制裁=私刑を全面的に肯定しているわけでもなく、問題の解決を視聴者に投げっぱなしにしている。
そもそも、犯罪者が法律によって裁かれないっていう問題は現在もあるが、社会的に大々的な問題として扱われていないので、視聴者に差し迫った危機として感じられることはないのだろう。
せめて、作中内でキャラ同士の掛け合いなどで、犯罪者は断罪すべきか、否かについての考えや議論を聞かせて欲しかったところ。
{/netabare}
また、コバヤシくんの男の娘要素と微エロ要素いりました?数話だけならいいんだけど、毎話出さなくてもよかったんじゃない?少し気になった。

投稿 : 2021/12/13
閲覧 : 390
サンキュー:

3

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