ケエン さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
00年代のセカイ系
平凡な主人公の前に現れる美少女や敵、そして世界滅亡の危機。根本的な話の展開の構造がエヴァンゲリオンに代表される「セカイ系」だ。
視聴後、制作会社があのエヴァンゲリオンを作ったガイナックスと聞いて納得。「この醜くも美しい世界」は、「エヴァンゲリオン」に大きく影響を受けているのは間違いない。もしかすると、2000年代の第二のエヴァを作ろうとしたのかもしれない。キャラデザなどは00年代の個性重視の見た目であり、少し古臭さを感じさせるキャラの掛け合い。
セカイ系作品としての挑戦的な世界観と、壮大な世界設定、戦闘なしに話し合いや自己追求によって話が収束。主人公に近い周りの登場人物達は、最後までメインヒロイン・ヒカリが宇宙からやって来たのかすらも確証をもてないのも、外(世界設定の開示)よりも内の自己を重視するセカイ系あるあるだろう。
ただ、残念ながら、セカイ系が現在も残っていないことからも分かるように、セカイ系を作ることは非常に難しい。この作品もただのエヴァの焼き増しにしかなっていない。終盤で、メインヒロインによって、主人公の自己欺瞞が発覚し、主人公の成長によって自己の内面世界が再構築されるのだが、あまりにその再構築と答えの出し方がエヴァほど丁寧ではない。世界の滅亡の回避=自己矛盾の克服と内面の成長がイコールである限り、自己の内面成長と自己完結の描かれ方は重要だ。
世界の危機を回避できた理由と主人公達の自己世界完結は丁寧に描いて欲しかったな。26話にして、主人公の自己探究のシーンを掘り下げたりしてみたら不完全燃焼感はなかったかも。
他の方も述べているように、絵柄はまほろまてぃっくだが、作品の根底には大きくガイナックスによる影響があると思われる。また、やはり、主人公の変身した姿がデビルマンにしか見えない(笑)