ハニワピンコ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みんなを幸せにする良いAI
公開後話題となり、自分もその話題を聞きつけて劇場に足を運んで鑑賞。まず思ったのは夏に観たかったねー!
今年は『VIVY』や『ゴジラS.P』等のオリジナルSF AI物が多く、特に『ゴジラS.P』は「用語いっぱいで論的に説明する!これがぁ!SF物なんだよぉ!」感増し増しで正直ついていけなかったので、この作品はそれらと比べて、AIを題材にした作品としてはかなり分かりやすいストーリーで、観やすかったし、面白かった
ストーリーとしては、AIが広まり生活の一部となっているという設定で話が進んでいく
AIと人間の関わりに関しては、シオン サトミの関わりに終始しており、客観的な視点から立っての投げかけはやっておらず、それにより、後半は現実世界との認識の齟齬を産んでいるように思われる
よって、かなり現実の世界とのギャップがあり、正直自分は劇中の所謂"保守派"の意見の方に賛同しちゃった部分があり、「何故危険でないと言い切れるのか」「実験に無断で学校を使用した」などの様々な問題を、会長の鶴の一声で最後に一蹴した風であったが、それでそもそもの世界観と現実の視聴者とのギャップは埋められたかと言われれば微妙だと思う
ただ、もちろん自分も、シオンの様なAIがいたら面白そうだとは思うし、近未来のAIが一般化した世界も良いとは思っているということだけ
なのでこの作品は、近未来の世界観で、昨今のSF AI関連の作品に求められている要素をシオンとサトミの二者の関係に絞った、少しポンコツなAIとの関わりから始まる青春群像劇として、あくまで"良いAIを描く作品"という認識を持っておくのが良いと思う。前半中盤のシオンと悩みを持った高校生達との関わり、予想外のシオンの行動の理由付け、8年前に受けた使命を遂行する健気な進化したAIの姿など、そういう観点から見ると、万人に受けやすい良いストーリーだったと思う
今年最後に予想外のアタリ作品に出会えて、テレビアニメだけでなく、アニメ映画でも満足出来てとても良かった