螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
心理戦アニメの秀作
優秀過ぎるが故に人生に退屈していた大学生、夜神月が名前を書いた人物の命を奪う死のノート“デスノート”を偶然拾ったことで歪んだ正義感に目覚め、正義の執行者“キラ”を名乗る。
月はデスノートを使って法の目を掻い潜りながら、法ではどうにもならない腐った悪人を裁いていく。
しかし、キラの悪行を見かねながらも超常的な力に対し、これまで有効な手を打てなかった警察が雇った名探偵“L”なる人物が月に戦線布告をしてきて……
心理戦をメインにしかつ、純然たる悪人を主人公にした、小手先の理屈無視のアクションバトル作品が多いジャンプ系列ではかなり異色な人気作品を原作にしたアニメです。
見所はやはり天才対天才で繰り広げられる、常軌を逸脱した策の応酬でしょう。月が自分を信じてノートの記憶を消して警察を欺いたり、Lが死のリスクを冒してでも堂々と姿を明かし、デスノートのルールを把握しようとするなど、普通なら考えつかない手が次々と出て来ます。駄作によくある、設定上の天才で実際の行動は愚者、では断じてなく、キャラクターに命が吹き込まれています。
記憶を失わないように工夫したノートの譲渡や切れ端を使った殺人など、ルールの目を盗んだデスノートの応用方法も面白い。
これらの点から総評して、ルールの制約を扱いきれず破綻しやすい異能、心理戦、ミステリーの組み合わせを凄じい匙加減で組み合わせた秀逸作。
話数も多過ぎず、ストーリー、人物描写、キャラクターともに魅力的で観やすいので、とりあえず推しておきたい一作です。