セシウス さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
障害があってもなくてもコミュニケーションは難しい
原作マンガは未読です。
メインヒロインが聾唖者であることが特徴の青春物語ですが、障害自体は大きなテーマにはなっていません。子供時代にメインヒロインをいじめたことが大きな問題になってしまい、その後周囲とコミュニケーションをとることができなくなってしまった主人公が、メインヒロインとの再会をきっかけに人間関係を取り戻していく姿を丁寧に描いています。若干描写が足りない部分も感じましたが概ね感動できるストーリーだったと思います。
キャラは主人公・メインヒロインとその家族の描写は丁寧で感情移入できましたが、周囲の友人たちは若干イメージが薄いです。地方都市が舞台になっているようで世界が狭く、高校進学後も同級生たちはわりとよく街中で顔を合わせます。もう少し深掘りしてほしかったな、というキャラもいました。
声優さんたちは素晴らしかったです。メインヒロイン役の声優さんは聾唖者の役を見事に演じたと思います。
作画は美麗でした。街の中を流れる川や花火のシーンなどは本当に綺麗に描かれていたと思います。音楽もピアノをメインにしたBGMが登場人物の心情をよく表していて良かったと思います。
おそらく原作を見た人は物足りなさを感じるような気がします。登場人物が多い(主人公と同学年だけで9人)ので、もっと尺を長くとって欲しかったなとは思いました。映画単体で見ればとても良くできた作品だったと思います。
全くもって余談ですが英語吹替版では、メインヒロインの声をリアル聾唖者が演じていて賞賛されています。しかしその発音は私などよりもずっと綺麗に聞こえて少々凹みますw