よーな さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
人間味あふれる物語
一話から24話まで一気に見ました。
少し重めの恋愛劇ですが、個人的にはそれほどドロドロとした感じはしませんでした。登場人物がそれぞれとても人間味があって根が良い人だからです。
主人公の多田万里が優柔不断、情緒不安定だと思う人も多いかと思いますが、香子に早々に好きだと告白したり、他のラブコメでは少ない話をどんどん進める役割を果たしていて結構常識的な考えを持っていると感じたので私は感情移入できました。話を盛り上げるためのメンヘラ的要素を記憶喪失という仕方のない事態に当て込んだ事も大きいと思います。というか高校までの記憶全部消えるとか普通なら発狂してもおかしくない事態ですし。ということで記憶喪失という事態を無視すれば考えのコロコロ変わる人に見えるかもしれませんが、本人がどうこうできる問題ではないので私は気になりませんでした、普通に好きなキャラです。
そして香子がとにかく可愛い!
初めはキャラの濃い面白そうな子が来たなという程度でした。この時点での勝手な振る舞いを見ると拒絶反応を起こす人もいるかも知れません。個人的には他者への悪意は感じられず、周囲の注目や評価を全く気にしない姿勢は陰湿な性格の悪い人というより良くも悪くも純粋な人という印象でした。物語が進んでいくにつれて内面の不安や責任感、そして愛が感じ取れるのでどんどん愛嬌を感じるようになると思います。あとは容姿が好きかもイメージに直結するかも(万里と香子の関係も一目惚れに近いですし)
その他リンダややな、二次元くんも魅力的に描かれていました。NANA先輩は登場したときから最後まで格好良かったですね。最初から優しいオーラ全開でしたけど。
魅力的で不器用なキャラ達が記憶喪失や過去に翻弄されながらも少しずつ進んでいく、その過程で各々の内面を少しずつ知り、感情移入して楽しめる作品でした。
評価が分かれるポイントは、まず「記憶喪失」を視聴者がどの位の重さで受け止めるか。これが万里の葛藤の見方に繋がると思います。次に香子やリンダの内面の弱い部分、不器用さに愛着を憶えられるか。
特有のリアリティと人によっては不快にすら感じる不器用さ、純粋さと愛のあるこの作品が大好きです。