nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まあ、キャラ萌えと考えればいいと思います。追記 三角関数?
憑き物とドールという題名の通り、付喪神としての斧乃木余接が主役の話でした。
あえてテーマ的なものを見つけるなら、「他人から見た自分」「他人から期待されている自分」という他律的に形作られるアウトラインによって、自分の存在や役割が決まるという構造主義的な話にも見えます。
あるいは、存在の不確かさ、アイデンティティクライシス…自分の存在に対する不安、自分で行動しているつもりが他人の意思によるものではないかという疑問のような感じもあります。
人形は人の形をしているがゆえに…みたいな感じもありました。
本作の過剰に装飾的演出は、虚構性を表現していたととらえればいいのでしょうか。いつもの街であろう背景が幻想的に描かれていました。つまり登場人物たちは影縫も含め、みんな舞台の上で役割を演じていた…と?
暦の部屋も、月日と一緒にいる時と、忍と一緒にいたときでカラーリングを変えていましたね。
最後の戦場ヶ原との場面で急に現実的な表現になったことで、さっきまでの出来事が夢のように感じられる演出でした。が、最後の余接で実際にあった話だと分かる…みたいな。さすがシャフトという感じの演出でしたね。
ただ、テーマ…的なものについては、あまり考えなくて良さそうです。雰囲気で終わってるかなあと思います。言いっ放し感がすごいですね。だからどうした?という感じです。
結局は言葉遊びをしているだけなのだと思います。結末についても何の感情移入もできない人物がでてきて「ふーん」という感じで終わってしまいました。
つまりは肌色が多いところと、忍のロリ可愛いところと、早見沙織さんを楽しめばいいかなあと。
キャラ萌えとしてみれば面白いですが、どうでしょう。ストーリーそのものは…なんかずっと茶化されていただけな気がします。それがテーマだったら大したものですが。
追記 書き忘れました。正弦、余接、余弦はサイン、コタンジェント、コサインですね。三角関数です。斧乃木余接が出てくるときは円が回転する演出が多かったと思いますので、なんらかの意図があるように見えます。忍と忍野みたいに名前でお互いが縛っているという設定はあると思います。
その他、三角関数の数学的な話はさておいて、三角形の各辺がお互いを割ったり割られたりするイメージですよね。つまり、一つの形を違う側面から見ている、みたいなものを意識しているのでしょうか。さっきWIKIを確認してもこの点の言及がなかったですね。考えすぎでしょうか。