「ARIA The ANIMATION-アリアジアニメーション(TVアニメ動画)」

総合得点
88.5
感想・評価
1822
棚に入れた
9584
ランキング
109
★★★★★ 4.1 (1822)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

「ファジー理論」と「1/fのゆらぎ」

「ファジー理論」も「1/fのゆらぎ」もどちらも一時期流行った家電技術です。
あっ、ごめんなさい。
感想が難しい作品は、私の場合、だいたい変な例え話でお茶を濁します。

「ファジー理論」は、白か黒ではなく、曖昧さを許容することです。
昔のエアコンは、設定温度を25度と決めたら頑なにそれを守ろうとします。
そして、余計なパワーを使います。
しかし、人間は、曖昧な生き物なので、25度から多少ズレていても気にしません。
24.5度でも、25.5度でもいいんです。
ファジー理論搭載エアコンは、多少のズレは許容し、そこにパワーは使いません。

「1/fのゆらぎ」は、規則的なものと不規則なものとが調和した状態だそうです。
例えば、波の音、雨音、電車のガタンゴトン、ろうそくの灯の揺れ等です。
このゆらぎは、「"規則正しく"刻んでいる時間」を忘れる効果があるそうです。

この作品は、「ファジー理論」と「1/fのゆらぎ」の両方を搭載しています。
・物事をはっきり決めることに疲れちゃった。
・時間を忘れてぼーっとしたい。
そう思った時にこの作品を観ると癒されるかもしれません。
余計なパワーを使わず、ゆらぎに身を任せられ、時間を忘れさせてくれます。


この物語は、水面のゆらぎの上をゆっくり漂うように進みます。
でも、それは流されているのではなく、ちゃんと行きたい方向に進んでいます。
まるでウンディーネの漕ぐゴンドラのようです。
人は、流されるだけでも、逆に、何もやる事がなくてもどちらもストレスです。
しかし、この作品は、漂いながらも、そこに意志がある。
この状態は、とてもリラックスさせてくれます。
この時に聞いたセリフは、す~っと心に染み入ってきます。
そして、素直に受け入れることができます。
その後で見る世界は、いつもと少し違っていることに気づくはずです。
それは、自分がすこし優しくなっている証拠です。
・・・「はずかしいセリフ禁止」。・・・やっぱりこのオチなのね。


ファジーとゆらぎに共通して言えることがあります。
それは、どちらも感覚的で、境界線をはっきりさせないと言うことです。
この作品も同じで何が面白いのかはっきりとは言えません。
とても感覚的なのです。

そのため、この作品は、視聴時の気持ちによっては、受け取り方が変わってきます。
仕事がノリに乗っていて、いけいけ、どんどんの時は、つまらないかもしれません。
それは、恐らくストレス自体が心地良い状態だからです。
その場合、つまらないと放り捨てずに、またの機会にとっておいてください。
人は曖昧でゆらぎのある生き物なので、面白いと思う時も来るかもしれませんから。

ちなみに、迷った時は、4話「その届かない手紙は…」まで観てみてください。
ちょっと不思議な話なのですが、この作品への考えが少し変わるかもしれません。

ずっと忘れていたことなのに、ふと思い出すような記憶ってありませんか?
そう言う記憶って、だいたい温かい気持ちになることは多くありませんか?
なぜなら、「思い出す記憶」なので、それは「思い出」のことだからです。
この作品は、「はずかしいセリフ禁止」と言いながら、それが許されてしまいます。
そして、そのずっと忘れていた何かをふと思い出させてくれる、そういう作品です。

投稿 : 2021/12/06
閲覧 : 275
サンキュー:

28

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