蒼い✨️ さんの感想・評価
2.3
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
凄いな…これ!
【概要】
アニメーション制作:デジタルネットワークアニメーション
2020年11月27日に公開された95分間の劇場版作品。
監督は、瀬名快伸。
【あらすじ】
幼馴染の高校生の宮益澪(みやますみお)と鬼司如新(きしもあらた)は、
友達以上恋人未満の微妙な関係であったが、
澪の友人の円佳(まどか)が新に気があることを澪が知ったことをきっかけに、
澪と新の関係がギクシャクし始めて、喧嘩をしてしまう。
澪はその晩に大泣き! 土砂降りの中、自転車で新に謝りに行くのだが、
猛スピードで曲がり角を直角に曲がるなど無茶な運転をしていたら、
自動車に轢かれてしまった、ところが澪には何事もなく、
泥だらけの自分の姿に新に会いに行けないと諦めて帰宅。
翌日に登校して新に謝罪する澪であったが、新はまるで澪が見えないような反応。
帰りがけの電車で新の隣に座り、再度謝罪する澪。
ところが、急に空から光線が降り注ぎ電車を貫通して澪に当たると、
彼女はすごい勢いで雲の上に飛ばされる。
あまりの出来事に澪が目を閉じて開けると海の上を走る無人の電車の中。
澪は不思議な世界に迷い込んでいたのだった。
【感想】
監督・原作・脚本・企画の瀬名快伸氏が2億円の借金をして完成したものの、
あまりにもガラガラすぎて、各劇場で公開打ち切りになった問題作。
一応は、高校生の男女の恋愛を扱ったジュブナイルものですが、
『君の名は。』にタイトルが似ていたり、池袋が舞台だったり、
・『天気の子』の雲の上の浮遊。
・『千と千尋の神隠し』みたいな路面電車。
・『ペンギン・ハイウェイ』みたいなペンギンの大群が現れて飛んでいる。
・更にはクジラが海上を浮いて電車と並走。
いろいろな作品から印象的なシーンを寄せ集めて売ろうという心意気が、
かえって作品を安っぽくしてる印象。
電車が極端に四角かったり、妙に立体感の無いだまし絵のようであったり、
スライドショーみたいなシーンが目立ったり、
お世辞にも作画は良いと言えませんね。
二原も含めて原画スタッフ11人と動画が6人で劇場アニメを作ろうというのが間違いで、
作画が壊滅的に酷いシーンはないのですが、全体的に安定したクオリティの低さ。
これが15年前20年前のB級の深夜アニメなら、こういうのもあるよね?
で済まされるのですが、映画館で一般鑑賞料金が1900円(割引デーもありまするが)
を支払って、令和の時代に見るような映像のクオリティに遠いというのが、
「金返せ!」の心理で悪評に拍車をかけましたような。
脈略もなく、主人公が唐突に4分間歌って踊りだすミュージカルシーンがあったり、
突如、霊や神の話になったりで話は妙に宗教臭い方向性へ行ったりします。
その不思議な池袋を案内するマスコットキャラがいるのですが、
その声優が山寺宏一・大谷育江(ぬいぐるみ?)と早見沙織(少女)と妙に豪華。
彼らは役に立ってるの立ってないのか微妙だったりします。
更には、タイムリープものみたいに同じ展開を繰り返したりして、
退屈さから頭痛や眠気がすること請け合い。
主演の松本穂香さんの演技は気合が入っていて、
1時間15分あたりの絶望の絶叫シーンが凄いですね。
ただ、その絶叫が真に迫りすぎていて怖くなるレベル。
とまあ、ネタアニメとしては様々な要素がありますが、
物語は、この世とあの世の境に来てしまった主人公の澪が、
なんとか元の世界に帰ろうという話。
その鍵は澪が内面の問題を克服して成長するということで、
話のメッセージ性としては意外と真っ当で普通。
作画の安っぽさから、アニメを作るにはトップクラスの精鋭でなくとも、
ある程度のスタッフの質が重要であること。
シーンのアイデアがメジャーな映画のオマージュが多かったりすること。
色んな部分で商業作品として足りて無くて、評価が低いのは仕方ないところ。
アマチュアリズムだと思って楽しんだり、
『チャージマン研』みたいな観方をするならともかくとして、
プロの作品として有料だと、厳しいかなってレベル。
このアニメを見るなら、覚悟と割り切りとネタとして楽しむ心。
それらを持ち合わせることをオススメしますね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。