camuson さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
印象度:50
2021年のフィリピンのアニメ。netflixオリジナルアニメ(原作あり)。
原作未読。原作のグラフィックノベル(日本のストーリー漫画に該当)が人気のようです。
従来、海外アニメの題材としてほとんど取り上げられることがなかったダークな世界観。
土着信仰により語り継がれた妖怪の類の異形が徘徊するマニラが舞台。
呪術が使え、異界にも通じる女性主人公が、
比較的話の通じる異形の力を巧みに利用しつつ、怪奇事件を解決していくという話。
話の内容や絵柄は日本のアニメと言われてもあまり違和感は感じないのですが、
これがひとたび動き出すと、ディズニーアニメのような雰囲気で、
日本のアニメとの違いを大きく感じることができて、興味深かったです。
造形と動きのデフォルメの勘所が違うのだと思いますが、
日本アニメは、キャラに瞳で語らせ、口の動きには無頓着なのに対して、
まったくその逆になっていることが大きいかなと思いました。
口の動きを発する言葉に丁寧に合わせ、表情も大きく動かしている反面、
どこか目に生気がないというか、目力を感じないというか。
フィリピンの漫画が原作ということで、米国amazonで第1巻を購入して見てみたところ、
絵柄がアーティスティックかつスタイリッシュな大人向け作品だと思いました。
日本の劇画タッチの漫画とアメコミの雰囲気の両方を備えています。
これがアニメーション化に際しては、かなりディズニーアニメ的なデフォルメがされ、
絵柄がアニメチックになっています。
こちらが日本のダークファンタジーアニメに慣れてしまっていることもありますが、
カートゥーン的なアニメーションスタイルに、終始、違和感を感じてしまったのは事実です。
シリアスな場面なのに、絵柄や動きがどこかコミカルに見えてしまうのですよね。
その違和感が、日本のアニメ作品とは異なるところで、面白いところでもあるのですが・・・
本作のdirector(監督)は、showrunner(総監督?)を兼ねる
フィリピン系アメリカ人を筆頭に4人いるのですが、
他の3人の監督も名前からするとフィリピン人ではない模様。
原作は間違いなくフィリピン作品ですが、
アニメーションとしては、実質的にはアメリカ作品と言った方がいいのかもしれません。
フィリピンアニメとしての独自性のようなものがあれば、
なお良かったのかなと思います。