vivian さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
心とは。
心とはなにか、人間とAIとの違いはなにか。
そのテーマを始終考えさせられる作品でした。
アンドロイドやAIの感情について取り扱った作品でイヴの時間も好きですが、本作はもう少し深く掘り下げられていたような気がします。
心を表す指標として歌声を使っていたのが印象的です。どう歌えば心がこもっていると評価されるのか、定義の曖昧な命題にAIが翻弄されます。
心とは記憶なのだとヴィヴィは辿り着いていましたが、記憶によって生み出される感情こそが心なのですね。
だとしたら、AIが初めから心を持って生まれることは、感情を伴った記憶や経験をデータ化して移行できない限り無理なんだろうな、と見ながらぼんやり考えていました。
島にいた205号のMと呼ばれていた機体にも、短い登場でしたが泣かされました。いつか訪れる人間の子供のために一生懸命、動物を模したものを歪ながらも作っていましたね。呼び名を与えられて喜んでいたようにも見えて。
100年という人にとっては長い時間の中、人間やAIの死もたくさんあって、時を超えて何かが繋がっていって未来が作られる。至極当たり前のことなのに、それがどんなにかけがえのないことなのか、今いる先の100年後の未来はどうなっていくんだろう、そんなことも漠然と考えさせられる作品でした。