猫太郎 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
色々話題になったらしいので試聴
示現エンジンという夢のようなエネルギー源が開発されたはいいものの、それの莫大なエネルギーを狙うアローンという謎の存在が現れ主人公たちが変身して戦うお話です。
出来が悪いという評価を聞きますが、設定や背景は結構面白いし作画や尻にこだわった構図、キャラデザや音楽など要素単位ではかなり力が入っていて結構光るところがあると思います。問題はやはりそれらの使い方、物語の構成として粗い部分が目立ちました。
シナリオとして設定や世界観は下手すれば世界が大変な事になるという負ければ後のない戦いが要求される状況であるが、主人公たちについては友情パワーで全てを解決して平和に戦い、あわよくばギャグに振りたいという感じで目指す路線が乖離しています。これを補うために主人公達が日常から危険な戦地に赴く覚悟を決めるようなシーンと言った日常と非日常をつなぐための補完があまりないため、主人公の負傷までは日常は日常、戦いは戦いという感じで物語の流れが切れてしまってる印象を受けました。また、日常パートは設定作りにかまけて話題作りがうまくいってないのか中身が薄い上に全体的に間延びした展開が気になります、特にテコ入れとして重要なギャグ回はなろう系のようなタイトルを含めネタの理解がしづらく終始寒い展開が続き頭がフリーズしました…。orz
しかし物語のキーパーソンである黒騎れいの苦悩と主人公達との関わりによって自身を縛る呪縛からの解放されるという流れは物語の中でよくできてる部分であり、その描写だけが印象に残る=いわゆる握りつぶされるトマトがビビオペの象徴という感じでした。(背景の作り込みからして一色あかね組を差し置いて逆に黒騎れいが主人公の敵視点のお話だったらこの脚本でも面白かったかもしれないと言えるほどよく出来たキャラクターをしている。)
全体としてシリアスに振るか平和寄りに振るかを一致させ、日常とバトルの尺の整理とキャラ同士の関係の掘り下げがもう少ししっかりしてればもっと面白くなったかなという感じで土台がかなりいいだけに惜しい気持ちになります。
バトルパートはビビッドスーツやドッキングのデザイン、なかなか攻めている通常やドッキングの変身シーンや所々挟まれる尻、ファイナルオペレーションの演出、自衛隊の兵器の作画が異様にいいのも好みな点です。
強いて言うならイエローのファンネル武装が便利すぎて武装のパワーバランスに難があるのと最初からドッキングでぶっ放せば終わりというレベルで必殺技が強すぎる点が問題で戦いにお約束感がありすぎるので8話みたいな苦戦しながらも敵を攻略して倒すといった作戦の遂行のために段階的なフェーズを踏んだ戦闘、それに伴うダイナミックな空戦シーンがもっと欲しかったかなという感じです。
BGMは全体的にレベルが高く、音楽による日常感、絶望感の演出はいい感じに仕上がっています。特に処刑用BGM、友情の色彩はファイルオペレーションの必殺技シーンとbgmとのかみ合いが特にいいため、必殺技の盛り上げとしては非常にいい役割を果たしています。
キャラの方は声優が当時初心者だった事もあり演技には難がありますがあかねちゃんのマヨラーとかの謎設定が気になる点を除けば
どこまでも皆を引っ張る、あかね
あかねの親友としてあかねを支える、あおい
覚悟あり戦いでは心強い、わかば
ここぞという時の天才、ひまわり
そしてある呪縛に囚われた少女、れい
それぞれちゃんと推せるだけ魅力がありますし、その上で続きが見たいという声が上がるのも頷けました。
細かい部分をちゃんと見る人には粗が多すぎてオススメできませんが、あまり考えないで見る分にはそれなりに面白いとアニメだと思います。