たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「ポストエヴァンゲリオン」に成り損ねた印象
最近は、各メディアにアニメの宣伝やら声優の露出が多くなったことにより、月に何本もアニメ映画が公開されるという時代になり、人々のアニメに対する認知度や関心が日に日に増していることを実感しますが、
今回により「真章」とも呼べる「エウレカセブン」の映画の完結編ということで、「シン・エヴァンゲリオン」の期待値を超えるのかと思いましたが、残念ながら期待値は超えませんでした。
まず、「ポストエヴァ」と言われるいわゆる「セカイ系」の作品が流行りだしてから20年くらい経ちますが、一向に更新する気配はなく。。。
今回も非常にSF的な専門用語や哲学などを登場人物が語りだすものの、全てエヴァンゲリオン以上に「衒学的」難解なだけで纏まりようもない話が延々と続きます。
制作は「BONES」なので、サンライズ系列のというよりは、まんま「ガンダム」や「マクロス」のスタッフを使っているので、ロボットの戦闘シーンは確かにすごいですが、やはりこれも本作の「主題」とミスマッチ感がすごく、特に意味のない戦闘でバタバタと人が死んでいきます。
ガンダムやエヴァ、あるいは今回で言うとおそらく影響を受けたであろう「逆シャア」や「イデオン発動篇」などは戦争の悲惨さや人のエゴイズムの愚かさなどの隠喩として、ロボットやメカの戦闘シーンが描かれているわけですが、今回の「エウレカセブン」では全くと言っていいほどそういう風には描かれていません。更には敵組織の理由や後半の突然の主人公登場など、終わらせようとしている感じは伺えますが、まったくもって世界観と関係がないので「セカイ系」としても薄い印象でした。
非常にちぐはぐな印象を受ける本作は、とてもじゃないですが宮崎、庵野、富野、押井監督などの巨匠。。ましてや新海誠監督よりも映画としての完成度や納得が低いです。
最近、ポストエヴァと呼ばれる監督の作品(京田さん、新海さん、細田さん)はどれもこれも方向が定まっていないというか、まだまだ発展途上なところが有り、お金を取ってる以上、もう少しテーマなどを深堀して映画を作ってもらいたいと思いました。