camuson さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
印象度:95
世代としてはリアルタイムですが、初回放映はおそらく見てないのだと思います。
私はガンプラから入ったのですが、おそらく再放送、再々放送、再々再放送あたりを
歯抜けで見ていたのだと思います。
ガンプラの狂騒だけではなく、ガチャガチャの消しゴムやメンコなど
キャラクター商品の一大ブームにリアルタイムでさらされてきており、
かつ、アニメ情報雑誌「アニメージュ」や「ニュータイプ」、
「ホビージャパン」の別冊特集、
はたまた学校のアニメ漫画部員等による二次創作などからの多面的な情報により、
アニメ作品を一気通貫で通してみてないのだけれど、
話の流れはほぼほぼ把握していて、
その世界観は体に染みついてるというような状態だと思います。
さて、今回、一気に見返してみたわけなのですが、
ミハルやララァの印象は鮮烈に残っていたのに対して、
スレッガーさんは記憶になかったので、
何度か再放送を見ていたのだけれど、
その部分は歯抜けのままだったことに気付きました。
(スレッガーはモビルスーツに搭乗してないので、
他のメディアにより補完されることもなかったようです。
例えばマ・クベが、こんなに登場機会の多い人物との認識はなかったのですが、
ギャンの搭乗者という事で顔は知ってましたし)
ミライさんが超モテモテという認識がないまま、
40年間をやり過ごしてしまったという事で、
ミライさんには何といって謝ったらいいのかわかりません(笑
しかし、ロボットアニメと言えば、マジンガーZの流れをくむ
子供向けの勧善懲悪の合体ロボアニメしかなかった時代において、
単純に善悪に分けることができないリアリティのある戦争を描いたという点で、
それだけでも驚かされるのですが、
様々な制約条件があろう中で、それを感じさせない完成度に仕上がっていることが、
本当に素晴らしいです。
10話の段階で、敵軍のプリンスが、
配下のエースパイロットに謀殺されるところからして、
もはや子供向けとは思えないし、
ランバ・ラルとハモンの大人の関係、そこに脱走したアムロが絡み、
後の戦闘で対峙するなど、キャラの立て方、因縁の作り方が巧み過ぎます。
ランバ・ラルはそのあとセイラとも絡んでくるし。
あと、天才的な発想だと思うのは、ミハルのエピソード。
この手の死は戦争には付き物で、無数にあるにもかかわらず、
エンターテインメントの世界では無視されるのが常と言っていいでしょう。
ミハルの死に戦争のリアリティや悲しさが凝縮されてるのですよね。
終盤ララァの登場と「ニュータイプ」の概念の導入は、
もはや凡人の想像の範疇を超えており、
驚かされると同時に、どこに向かっているのかわからなくもなるのですが、
最終話で、謎めいた余韻を残しつつ、かなり綺麗に着地できているのも凄いです。
専門用語、軍事用語、隠語が飛び交って、詳しい説明もなく話が進み、
背景や設定を緻密に作り込みつつも、作品にはその一端しか見せない手法。
独特な節回しによる名言の多さでは、他作品を寄せ付けません。