レオン博士 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 2.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
天国と地獄、栄光と転落、光と闇、正義と悪、人と魔物。
【紹介】
高校生のクラスごと全員異世界に転生して、大半は人間に転生したけど主人公は蜘蛛モンスター(最弱)の幼生として転生して常に死と隣り合わせの環境で生き残るために奮闘していく主人公と、人間として転生したクラスメイトの話を交互に展開していく話で、立場が逆のものを対比して描かれることが多いです。
【声優】
主演の悠木碧さんが一人で滅茶苦茶頑張ってます。
基本早口だし、感情の起伏が激しいけど見事に演じ切ってますね。流石です。
悠木碧さんの一人劇場と言っても過言じゃないかも。
【作画】
蜘蛛バトルシーン以外の作画がかなり雑で、モブの顔とかかなり適当なのが気になりますね。作画はお世辞にもいいとは言えないです。
【バトル】
戦闘シーンは動きが多いのは良い感じですが、蜘蛛だけに敵への攻撃方法が単調でバリエーションが少ないのが難点、どちらかと言うと敵の攻撃や動きでバトルを魅せているほうが多かった。
苦戦の連続で身に着けたスキルを活用して地道に強くなっていくのは面白かったけど、途中から強さのインフレが凄くて、急にバトルの緊張感がなくなったのは残念で、後半の戦闘は面白くなかった。
【キャラクター】
異世界の倫理観に馴染みすぎで、転生者らしさがないのが難点かも。
具体的に言うと、躊躇なく人を殺しすぎ。
メイン2人以外のキャラクターの掘り下げが少ない。
人間サイドはあまり面白くないと感じたのですが、その原因はユーゴーを登場させすぎたところにあると思います。
{netabare}
ユーゴーが出しゃばりすぎで、話のほとんどがユーゴーが軸になっているんですよね。
勇者の活躍じゃなくて、ユーゴーの嫉妬と闇堕ちが話の中心になっていて、シュン達の魅力が伝わりづらい。
こういうキャラも必要だと思うんですが、大して重要なキャラクターでもないのにちょっと出しゃばりすぎかな。
さんざん長々と出しゃばったあげく、予想通りいいように利用されていただけの残念な人でしかないって言うのがもったいなかった。
彼の出番を大幅に減らして、周りのキャラクターの掘り下げをしたほうがいいですね。
{/netabare}
【シナリオ】
人間サイドと蜘蛛サイドが交互に描写されて、どう交わっていくのかが気になっていました。
わかりづらいところはあると思いますが、私は面白い見せ方だなと思いました。
人間サイドと蜘蛛サイドの交わりや、魔王の存在、人間同士の争い、キャラクターの謎など、物語の謎をミスリードを誘いつつ少しずつ視聴者に開示していく描き方が面白いと思いました。
こういうことかな?と思いながら見ていたら結構予想を裏切られたりして、面白かったです。
悪いところは、テンポの悪さと1期がこれから面白くなりそうな良いところで終わったところ。
全体的に描写が長くて細かいのでくどい印象がありました。
映像で見せることで語る時間を減らす工夫も必要。
戦闘のたびに長々としゃべらせるのは、声優に甘えすぎだと思います。
{netabare}時系列に15年のずれがあるのは、最初は気づかなかったけど、地龍のたまごを人間が持ち帰ったところでその可能性に思い当たりました。蜘蛛の話は過去の話なのかもって。
そのあと、魔王様は主人公の未来の姿なのかな?ってずっと思っていたけど、それは勘違いでしたね。
ミスリードを誘う描き方で、まんまと騙されました。{/netabare}
【総評】
戦闘も日常シーンも面白いところはあるけど、ちょっと冗長な傾向があって、もっとコンパクトにテンポよく進めたほうが良かったように思います。
ラノベなら細かく描写するほうがいいと思うのですけどね、これはアニメなのであまり長々と描写するのはくどいという印象になります。
それでも世界の謎など気になることも多くて、面白かったです。