nyaro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:----
思ったほどすごい作画ではなかった。ステージは今より見やすいかも。
追記 作画について
アイドルものアニメのほぼ走りと言っていい作品です。ゲームと連動したものとして、それ以前に「らぶドルLovely Idol」というアニメが1年半ほど前にあったようです。TNKというエロ系統の作品が多い会社が作成したようですが、現在まで名前を残していません。
で、本作の主に作画についてですが、意外と歌以外の通常パートは動いていないですね。色彩とかはいいし作画は丁寧なんですけど、今ほどお金をかけていないのか、それほど…という印象です。A1ピクチャーは当時もう「鉄腕バーディー」や「世紀末オカルト学院」を作っていて習熟が足りていないことはないと思います。
ということはセールス的には結果的に大成功だった本作ですが、作成段階ではそれほど力を入れていないということでしょうか?
で、アイドルものの胆になる歌、6話の竜宮小町「smoky thrill」とそれ以外の作画を見ると作り方が違うのかなという気がします。
「smoky thrill」のダンスシーンは確かに動いています。動いていますが、なんというかゲームからトレースしたのか、他に理由があるか知りませんが、余計な「揺れ」が多くて、非常に見辛い作画でした。
多分ゲームがダンサーのモーションキャプチャーを使ったのか、動きに揺れの情報があるんだと思います。ゲーム画面の3DCGだとそれが魅力になっているんでしょう。ですが、アニメにおこすと違和感がすごいです。というか人間味がかえって失われています。
しかも、キャプチャーから3DCGへ、そしてアニメにトレースする段階で「重力」が失われている気がします。原画の中割がアニメ的ではなくなってしまうからでしょうか?
この辺私は適当なことを言ってますが、要するに揺れが大きすぎ、重力が失われてあまり魅力的に仕上がっていない気がします。
ただ、前半最後~後半にかけて出てくるステージのシーンは普通にちゃんとアニメのダンスになっていました。昨今のCGダンスより、見やすくてアニメ的な動きとカメラワークの魅力があって、なるほど…という感じはします。ダンスとしての動きは単純ですけどね。
あきらかに竜宮小町「smoky thrill」押しだったのでしょうが、裏目に出たかなあと思います。普通の作画で作っていればなあ…という気がしました。
総合的に言うと、ほぼアイドルゲーム連動アニメの元祖という位置付けの本作は、思ったほど作画がすごい作品ではなかったです。後半の方が人気に手ごたえがあって、力が入ったのか前半よりは良かった気がします。
以下 初回レビュー
アイドルアニメについて拙いながらも、触り程度にまとめます…
アイドルアニメ、特にアイドルマスターは批評が非常にセンシティブなのでレビューに勇気がいるところです。本レビューは本作それ自体というよりアニメ史的にここまで一大勢力となりかつ進化の系統樹として、萌えとはかなり別の流れとなったことについて、若干記載します。
アイドルマスターのゲームが2005年、AKB48も2005年です。アイドルマスターも、AKBも爆発的にヒットするにはもうちょっと時間がかかっています。この2つのコンテンツに共通なのは育成に参加する、ということでしょう。自分たちが応援することでどんどんメジャーになってゆくプロセスを共有する。
特にアイドルマスターについては、ゲーム内での育成の構造がそのまま現実につながっています。そして、2009年にPSP,DSに移植され、本作の元なんでしょうか。アイドルマスター2が2011年に発売されています。で、2011年に本作が作成されました。
そして、初音ミクが2007年。歌わせることそれ自体は個人の調教ですが、初音ミクというキャラクターを成長させていったのは、ニコニコ動画上でした。イラストや動画を使って初音ミクにキャラ付けしていくプロセスもまた、キャラクターを育てるプロセスを共有していたことになります。
これらのコンテンツに共通するのは、それ以前のアイドルの最重要であった、日常ではほぼ見かけない超美少女であること、という要素が無くなっていることでしょう。そうではなく、自分の好みの女の子を嫁として応援することが最重要になりました。
けいおんのアニメが2009年ですね。こちらは完全に鑑賞用となりますが、男というノイズを排除して2011年から急激に女子だけアニメが増えてゆきます。
これも当初は近いマインドだったかもしれませんが、この流れは日常系に進化してゆき伝統的な深夜アニメオタクコンテンツの本流となるので、アイドルアニメの流れとは変わってゆきます。
ただ、聖地巡礼はやっぱりらき☆すた、けいおん辺りからだと思いますので、どこかでアニメキャラと共通体験をしたいというつながりは求めていたのでしょう。
で、参画の度合いや好みの媒体(ゲーム、アニメ、実在)よって、それぞれ分岐しましたが、共通するのはイベントが熱狂的に盛り上がることでしょう。後は日常でこれらのファンであることを隠さなくなりました。痛車において初音ミクとアイドルアニメキャラの比率の高さからもうかがえます。
マルチメディア展開も今でこそ深夜アニメ系でさかんですが、どちらかといえば、アイドルゲーム、アニメ、声優さんのイベント活動などのアイドルアニメ系の方が成功させていました。全方面でコンテンツにのめり込むのがこのアイドル…アイドルアニメの楽しみ方なのでしょう。
一方でそののめり込むコンテンツの特徴として、初音ミクは別にして、アイドルアニメとアイドルに共通するのが、スキャンダルが致命的になることでしょう。これは上述の通り、成長というプロセスを共有しているため、アイドルと中の人である声優はファンの嫁として操を立てなければなりません。
これが従来型の女優さんやタレントとは全く違うところでしょう。つまり、アイドルアニメの声優というのは、演じているキャラの処女性、清純性を保証する存在である必要があると思います。その割には2次創作は遠慮がありませんが。
アイドルアニメについての批評が燃えやすいのは、この自分の推しを徹底的に応援するというコンテンツの性格なのでしょう。そういえば恋愛育成ゲームラブプラスが2009年ですね。これはアイドル要素ではなく育成…というか付き合うプロセスですが、嫁という点では共通していました。たしか、DSをもって一緒に旅行に行くとかTVでやっていた記憶があります。部屋も2人分とったそうですね。
なお、この流れが出来上がった時代背景、貧富の差、マイルドヤンキー、スクールカースト、引きこもり、東日本大震災、SNS、インターネットの通信速度、テレビの衰退、価値観の多様化等は割愛します。
とまあ、こういう流れのほぼ元祖といえるのが、アイドルマスターですね。アニメそれ自体の面白さは、おそらくキャラに感情移入しているか、自分の嫁がいるかで全然違うでしょう。
本作の内容をみると、プロデュースですからね。つまり成長をサポートする役割を視聴者は追体験するのでしょう。
志を持った少女たちが、レッスン、下積みを経て、メジャーへ。ただ、ばらつきがありますから、その焦りやもどかしさ。嫉妬…はあんまりなかったですね。これは見たくない要素なのであえて外したのでしょう。
竜宮小町って、こういう位置付けだったんですね。ニコニコでスモーキースリルを何度かみました。なるほどなあと思いました。この子たちの人気が先にでて、その他の子たちが…っていうのはなかなか面白い構成でした。
私自身はアイドル、アイドルアニメには興味ないのですが、本作のキャラは有名だし、MMDでは散々見させてもらったので、感情移入は多少できましたが、やはりジャンルとしては興味は持てませんでした。
ということで評価は3ですが、これは評価はしませんという意味です。