nyaro さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
永遠と遺伝子。優れた要素もありますがエンタメ不足でした。
25年夏にヴァージンパンクが公開される(予定)なので梅津泰臣氏の作画・キャラデザを味わう意味で本作を視聴しました。21年11月にレビューしていましたが、再視聴再レビューです。
以前思ったよりも含意が読みとれた気がしました。最後の2話が謎展開で以前は見逃しというか思考停止したんだと思います。
時間を自由に扱えることと生命観かなと思います。生命観とは、家族と赤ちゃんつまり次世代に遺伝子を伝えることと、永遠に生きることの比較です。
また、自分の遺伝子ではないにせよ、人間が存在するとは赤んぼ=次世代を育て、貢献するということ。だから、ヒロイン樹里が赤んぼを時間の流れに戻したときに、存在価値を失ったと言う結論になりました。人間が正気を保つというのは、つまり人間の営みを行うということかな、と取れます。
刻一刻と時を刻む死へのカウントダウンの中、人間は生きています。その人間が無限の時に入り込んだとき、つまり、人の営みを放棄した時に正気を失います。
家族、爺さん、父親から始まって、佑河家一族を中心に活躍するのは、その次世代のために、家族のために、生きることが人間だという表現ということでしょう。
とまあ、テーマ性は非常によくできているし、話のパズル性も面白いと思います。中にでてくる異形の恐怖も感じます。ただ、なんか物足りないんですよね。演出というよりも多分ストーリーかなあと思います。
正直言えば、テーマ性に関してはありきたりと言えばありきたりです。バンパイヤものや人魚伝説や「火の鳥」など枚挙に暇はないです。家族と赤ちゃんにフォーカスしたのは面白いんですけど、その家族のヒューマンドラマが薄いので「情」の部分が伝わってこないんですよね。テーマ性、パズル性、恐怖表現の要素要素はいいんですけど、セリフのシーンが多いし、頭でっかちで物語に落とし込むには下ごしらえが足りない気がしました。結果、エンタメ性が不足したんだと思います。
もちろん、梅津氏のEDの下着のヒロインは非常にいいんですけどね。でも、12話見るのがちょっとかったるい気がしました。8話程度に上手くまとめてエンタメ要素をもっと意識すれば秀作になった気がします。
以前は、最後の2話がちょっとポカーンでしたが、今回は意味性は拾えたので3.1だった評価を3.5まで上げます。
以下 21年11月に書いたレビューです。
初期設定とEDが良かったくらいですね。退屈でした。
{netabare} 梅津泰臣という人のキャラデザ(特に「A KITE」)が好きで、その関連で本作をチェックしました。EDはさすがですが、話は正直それほどでもなかったです。
時が止まる石をめぐる、家族の戦いなんですけど、なんといいますか、時が止まる、クラゲみたいなエネルギー的なものが出入りする、管理人と呼ばれる存在がいる…みたいなこれまた設定をめぐる「戦い方」が主体な話になってしまいました。ですので、私があまり好きでない設定を設定で解決する、という感じになってしまいました。
ガンツっぽいと言えばガンツっぽいですけど、あそこまでエンタメとして振り切っているわけでもないです。
となると肝心なのはテーマなんですけど、家族愛?因縁?うーん…取って付けたようなラスト2話の展開でテーマ性を持たせようとしたのかもしれませんが、薄いですね。
もちろん、キャラの行動原理もまあ家族中心なのはそうなんですけど、あんまり家族愛、親子愛に見えないですね。セリフで騒いでるだけというか。
設定はよかったと思うんです。初めの2話くらいは面白かったです。ただ、話の展開は退屈でした。戦いも地味だし異能力バトルものにすらなっていない感じです。
このレビューを書いていても文章がぶつ切りですね。要は興味が保てなかったですね。Dアニメで今月(2021年11月)で終わりということで慌ててみましたが、ちょっと後悔しています。考察も不十分かもしれませんが、考察する気にさせてくれませんでした。
慌てて見たからでしょうか。2話ずつくらいなら面白さが違ったかもしれませんが、残念ならが再視聴はしないでしょう。
EDの絵がエロくて良かったなあ、というくらいでしょうか。{/netabare}