ひろたん さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
夏の亡霊
ヨルシカの「花に亡霊」を聴いて、気になっていたのがこの作品です。
この曲は、ノスタルジーを感じさせる夏の想い出を歌った曲です。
そしてこの作品も、そんな夏の匂いがする物語でした。
歌詞の「夏の亡霊」とは、なんとなく儚い夏の想い出のことのように感じます。
この物語も観終わると、夏の亡霊のようにすぅ~っと消えてしまいそうな話でした。
まるで、ふわっとした何かだけを残して遠い昔のように感じる想い出のような。
観るまでは、ちょっぴりダークなファンタジーだとは思いませんでした。
物語の発想も面白いと思いました。
主人公にきっちり焦点をあわせてブレない話の進め方には好感が持てます。
なぜなら主人公の気持ちの変化が手に取るように分かったからです。
ストーリーも綺麗にまとまっていたと思います。
ただ、最初の3分間で「千と千尋の神隠し」が思い浮かんでしまいます。
「千と千尋」は15年以上観ていません。
それでも、心にちゃんと残っている影響力の強さにあらためて驚かされます。
この作品は、自分の中のその思い出と折り合いをつけながら観る必要がありました。
既視感と言うやつです。
そこがちょっぴり残念だったかなと思います。
想い出から始まり、なぜか自分の思い出に辿り着いてしまった、そんな作品でした。
綺麗にまとまっている作品なので、そこそこ楽しめると思います。