nyaro さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
大人の楽しみ方と成長の連鎖。懐古だけではない良い作品でした。
大人の楽しみ方とか師弟でつながる成長の連鎖ですね。天才は何でもできるわけではない内面の苦悩のような話もありました。
ARIAシリーズの同窓会的な話で内容が薄いかと思っていたら、まったく違って今の時代に必要なテーマがしっかりと入っていました。
年中行事もそうですが、歳を取るとアニメや映画、漫画や小説が楽しめなくなるという話を聞きます。それは子供と同じ楽しみ方をいつまでも期待するからということでしょう。
子供のころの楽しみは新しい刺激だけですからね。それは無知と経験の無さを前提とした楽しみ方です。この楽しみ方だと現実を知り年齢を重ねれば刺激がなくなり、要求する刺激はエスカレートします。これは大人になったから楽しめなくなったのではないですよ、子供のままだからつまらないんですよ、ということでしょう。
創造性や柔軟性を活かし、成長したなりの経験や知識の蓄積で楽しみ方を自分で工夫する…というか自然にそういう楽しみ方ができる。これは子供の頃には味わえない楽しみ方です。その楽しみ方の変化が大人になるということでしょう。ちょっと本作を拡大解釈してますが、かなりいいテーマだったと思います。(追記 そうそう、行事に関していえば人とのつながり、がありましたね。)
そして、師弟の成長ですね。天才の苦悩…というかコミュニケーションが下手なもの同士の不器用な愛情表現が良かったですね。まあ、この部分はずっとARIAシリーズを流れる大きなテーマでしたからね。最後3世代の師弟が3組並んだところはやはりちょっと涙腺を刺激されました。
作画、良くなりました。1期で不満だった、構図の広がり、高低差や俯瞰、そして水が良く表現されてました。モノが画面の手前から奥あるいは逆に動く作画にもチャレンジしてましたね。人物の作画も格段に綺麗になってました。
まあ、ARIAですから100%ハッピーエンドですよね。相変わらずのゆったりしたセリフ。そして、あの試験で通る水路の風車の風景。やっぱり癒されました。
ちょっとノスタルジーなイメージアニメに終わるかなあと思っていたら、思いもかけずいいテーマが入っていましたし、ストーリーも面白かったです。なかなかの良作でした。