nyaro さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
日常アニメの始祖だと思います。
萌え、日常、女子だけ、4コマ原作等々今につながるアニメの技法を確立した画期的な作品と言ってもいいでしょう。
2000年前後の異様なデッサンの萌え絵が流行ったころで、今見ても萌えませんが、この造形も最先端だったみたいですね。この絵がいろんな方向に進化していったのでしょう。
ひだまりスケッチとか人間に見えませんから(まどマギはこの系列でしょうか)、今の流れはハルヒの方向ですかね。
原作者自身は「よつばと」の方向に進化しています。簡易な絵柄で写実的ではないけれど、動きやポーズが自然です。この絵柄が回りまわって、今のアニメに影響を与えているのかもしれません。
絵柄でそうでもないですが、ブルマやスク水などまあ性的な消費の意図は明確にありますね。それに対する言い訳が木村先生でした。ですので、この点では日常系ではないと思います。今の日常系ならもっと深くオブラートに包むでしょう。
キャラづくりについては本当に原点だと思います。現代の日常系アニメの登場人物のキャラ造形は、ほとんどここに出てくる主要キャラを再構成したものになっています。
特にちよとゆかり先生は後々までテンプレキャラ造形として引き継がれています。
ちよ:天才女子小学生 ロリキャラを高校生、大人の世界に登場させる言い訳としてこの設定が確立しました。また金持ちキャラでもあります。
ゆかり先生:酒飲み、車の運転が恐ろしい、欲望に忠実など、部活顧問や「車で送ってくれる大人」の典型となりました。
ボケ、騒がしい、眼鏡、いたずら、優等生、体重を気にする、真面目、百合属性等々が各キャラに割り振られています。「らき☆すた」と比較すると分かりやすくて面白いかと思います。
逆にいうと、個性付けがまだまだ取りとめがなくて、個別にキャラを見て行くとは、榊と大阪は良いとして、それ以外のキャラ、特に神楽とか暦とかは、全然キャラが立っていなかったと思います。智はまあいいんですけど、うるさすぎてちょっと嫌いなキャラでした。
のちにキャラの性格付けがテンプレ化してゆき、4人におさまって行くのでしょう。
ストーリーは、榊のネコとか、チヨの髪とか、まあ、同じことの反復ではあります。ニヤニヤ眺める分にはいいかもしれません。本作はどちらかというと「間(ま)」の面白さなので、面白いかどうかは感性の問題な気がします。
OPの空耳ケーキは最高なのですが、なんとDアニメはカットされてます。意味がわからないです。何か引っかかったんでしょうか。ちよ父が目が危な過ぎましたか?
評価は、爆発的ではないですが、面白いです。古さは感じます。あとキャラが多すぎて、ちょっと誰が誰だかわからないのと感情移入ができないので、視点が若干さめてしまいましたね。